【JR貨物データ改ざん問題】停止していた貨物車両が運行を再開するも最大で30時間の遅れ…宅配・引っ越し業者などにも影響 北海道産のジャガイモを本州へ運ぶ列車は第1便が運行開始 北海道
JR貨物のデータ改ざん問題の中、9月12日、北海道帯広市から本州に向け、ジャガイモ列車が予定通り出発しました。貨物列車の運行は再開しましたが、北海道の物流には、大きな影響が出ています。
JR貨物は、9月10日、車輪と車軸の組み立て作業で、データ改ざんなどの不正行為が発覚。
9月11日、一時的にすべての貨物列車の運行を取りやめました。
その後、安全確認を行い、さらに67の車両に不正を確認。
問題のある車両を抜き取り、正常な車両のみに整え、12日正午からすべての貨車の運行を再開しました。
現在、遅れが最大約30時間出ているということです。
「農産物の輸送に影響出るって言っているので、そこらへん心配しています。鮮度も非常に大切なので…」(帯広市のジャガイモ農家 吉沢誠人さん)
北海道の物流への影響が心配されます。
十勝産のジャガイモを本州に届ける「ジャガイモ列車」。
9月12日から運行が始まり、約500トンのジャガイモが積み込まれ、帯広市を定刻で出発しました。
JR貨物によりますと、現時点で運行に大きな影響はないということです。
一方、北海道北見市の「タマネギ列車」は11日夜に3時間遅れで出発。
今後、多少の乱れはあるものの、問題なく輸送できる見通しだということです。
さらに、宅配など物流への影響も。
宅配大手のヤマト運輸・佐川急便は北海道発着の荷物に1日以上の遅れが出ています。
トラック運送会社松岡満運輸では、貨物列車で発送する荷物の集荷を停止しています。
また、引っ越し業者も、9月11日から対応に追われています。
「9月13日に、苫小牧市から神奈川県の大和市までの案件を貨物からトラック輸送に切り替えた」(エール引越センター 市川慶明統括本部長)
JRの輸送だと、荷物をトラックで道内の貨物ターミナルに運べますが、トラック輸送に変えた場合、一度、倉庫に荷物を保管し、別のトラックに積み込む作業が必要になります。
「時間のスケジュールを見直したり、そこに人員を割かなければならない」(市川統括本部長)