海水浴帰りの女性4人死傷の飲酒ひき逃げ事件から10年…「暮らしは一変」 癒えない傷 悲惨な事故なくすには"家族や仕事・友達なくす想像力を" 北海道小樽市
北海道警によりますと飲酒運転の検挙数は2016年をピークとして減少傾向にありますが、コロナ禍明けの2023年は10年前に迫る約760件となりました。
無くならない飲酒運転による悲惨な事故。
高石さんは加害者になる怖さを想像してほしいと訴えます。
「家族も仕事も友達もなくなる。孤独も恐怖の一つになる。この孤独と一生戦っていけるのか。自分の子どもが加害者になったらお父さん、お母さんはどうなる、兄弟はどうなる。考えただけでも鳥肌が立つ。先々を考える想像力を持ってほしい。運転する人たちは特に」(高石洋子さん)
悲劇から7月13日で10年。
ビーチ利用者の意識は変わったのでしょうか。
「事件を踏まえて、いまはハンドルキーパーというか僕が飲むときは飲まない人と同伴する。そういうことを考えて今は行動している」(ビーチ利用者)
当時中学生だったという女性は。
「車で来ているのになぜそこで飲酒するのかあんまり意味が分からなかった」(ビーチ利用者)
「お酒を飲んだら絶対に車に乗らないのは当たり前だと思っている」(ビーチ利用者)
若い世代を中心に飲酒運転への意識の変化も感じられました。
この夏、ビーチでは10年ぶりに海の家の営業を夜10時まで延長する取り組みを実験的に再開しました。
「飲酒事故は絶対に起こさない。安全を確保したうえで、安全をPRして海に戻ってきてほしい」(ドリームビーチ協同組合 宗像海介 理事長)
飲酒運転をさせない意識づけをするとともに、見回りも徹底するとしています。
さらに警察も周辺で検問を行ったり、ビーチの見回りやチラシ配布をしたりして、海の家とともにマナー徹底を呼びかけています。
事故撲滅を訴えてきた高石さん。
最後に遺族の胸の内を明かしてくれました。
「(別の遺族から)『報道の仕方でも、3人の命というのを聞きたくない。結婚して子どもが生まれたら何人の命につながったと思う?あの子たち3人の命じゃないんだよ』と言われた時気づかされた。拓那も一人の命じゃなかった。いつか結婚できたよねきっと。何人の子どもに恵まれたかわからない。亡くなった人たちはみんな一人の命じゃない。命はつながっていくんです」(高石洋子さん)