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“まちづくりコーディネーター”誰もが自分らしくいられる居場所を創る「commons fun」林匡宏さん #BOSSTALK

コラム・特集 友だち追加

人と人の個人的なつながりを大切にしようと、独立

江別市・大麻銀座商店街の絵

江別市・大麻銀座商店街の絵

――そんな大きなビジョンの仕事をされた後、北海道でまちづくりに携わっています。そのつなぎ目の部分の話を教えてください。

2010年ごろ、札幌に戻って、軸足を移したときも、同じ会社で再開発や都市開発を担当していました。狸小路商店街などの大通近くの商店街のお仕事をさせてもらい、あの辺りの未来ビジョンを作ろうという話が出たとき、すてきな人たちが商店街に会い、描かしてもらったときに本当におもしろいと思いました。

ただ、会社として関わると、(仕事が終わるれば)ここまでとなるではないですか。仕事が終わった後も、プライベートで一緒に何かやるときに、人と人の(個人の)レベルで話しながら考えるのはすごく大事だと思いました。それがきっかけとなり、ゲストハウスを開業させるという流れが出てきました。江別市の商店街に空き店舗があり、そこに不動産を購入してゲストハウスを建てることになったのです。ただ、(社員として取り組むことは)会社の規定で認められないので独立しました。

――独立後はどんな仕事をされましたか?
絵を描くだけではなくて、実行するのを大事にしています。絵に描くことには、いろんな次元があります。20年後の発言もあれば、明日できること、来年度ちょっと実験的にやってみたいこともあり、そのために何か会社や母体が必要になれば立ち上げてきました。描くたびに何か(組織。団体)が増えて、名刺の裏が狭くなってきたのです。

今は札幌市教育委員会にも所属させていただき、高校生と話しながら、聞いた話を実際に実現させる事業をやっています。毎回、高校生から出るアイディアは本当にさまざまです。例えば、公園で食べておいしい食事のメニューを作ってキッチンカーで販売する。アートギャラリーを作ってみる。子どもが自由に遊べる場所を作る。気軽に国際交流ができ茶室のようなものを作ってみる―などです

「自分が一番楽しんでいる自信がある」 今後は日常をつくる仕事も

「SAPPORO PLACEMAKING LABO」を設立

「SAPPORO PLACEMAKING LABO」を設立

――どういう今後の広がりを想定していらっしゃいますか?

昨年度、一般社団法人「サッポロ プレイスメイキング ラボ」を立ち上げました。任意のプログラムで札幌市教育委員会さんと一緒に取り組む中で、(そうした活動にこそが)本当の札幌の価値だと気づきました。高校生がいて、大学生もいて、それを面白がる大人がいる。これを一つの仕組み、組織としてもやっていきたいと思ってラボを立ち上げました。大通公園、真駒内団地、創成イーストなど、いろいろな場所でプレイスメイキングのイベントは今後もやっていきますが、これからは日常をつくる事業にも視野を広げて、やりたいと思います。

――ボスとしての心構えや、普段何か大切にしていることはありますか?
会社経営者で、(部下に)多くの社員さんがいるのがボスだと思いますが、自分はそうではありません。一緒にやりたい方々の旗振り役の感じです。「一緒に行こうよ」と言うときには上も下もないではないですか。ボス、経営者の方も高校生や中学生も横に連なります。本当に横につながってみんなで声を発して、それを僕が形にすることを大事にしています。何より僕が一番楽しんでいる自信があります。みんなも楽しんでいると思いますが、僕が一番楽しんでいなければ、たぶん一緒にやってくれないと思います。描いている本人が一番楽しむことをすごく大切にしています。