北海道唯一の“回転レストラン”がシンボル 「センチュリーロイヤルホテル」が半世紀の歴史に幕…時代とともに姿を変える かつては跨線橋直結の2階がエントランス
JR札幌駅前の「センチュリーロイヤルホテル」が5月31日、最後の宿泊客を送り出し閉館しました。ホテルを支えてきた従業員と、人生の節目をここで過ごした利用客の思いが交錯しました。
窓の向こうにきらめく夜景。幻想的な光景が広がる、札幌市中央区にある「センチュリーロイヤルホテル」の回転展望レストラン「ロンド」です。
1周3時間。半世紀にわたり親しまれてきました。それが停止する時が訪れます。
30日午後9時36分、回転が止まりました。再び動くことはありません。
ホテルの閉館の理由は建物の老朽化。所有者との賃貸契約が更新できなくなったのです。
「このホテルで結婚式を挙げたという声もよく聞く。ホテルがなくなるのは人生の1ページがなくなるのと一緒だと言われることもある。つらいが、いかんともしがたい」(センチュリーロイヤルホテル 桶川 昌幸 総支配人)
「センチュリーロイヤルホテル」は1973年にオープンしました。
地上23階建て、高さは約80メートル。当時の札幌市では最も背の高い商業ビルで、「ロンド」からの眺めはまさに絶景でした。
長年にわたり親しんできたホテルの閉館を惜しむ人がいます。
「オレンジを、ナイフ1本で皮を全部むいて」
「それにオレンジリキュールをかけて、炎でフランベしたんです」
回転レストラン「ロンド」での思い出を語るのは、杉村久瑠実さんと母親の小山奈緒美さんです。人生の節目ごとにホテルを利用してきました。
久瑠実さんは6年前、このホテルで結婚式を挙げました。
閉館を前に思い出の場所を訪れることに。式の前にドレス選びで何度も通ったブライダルサロンです。ブライダルコンサルタントの石井愛彩さん。久瑠実さんが着たドレスを覚えていてくれました。
「このリボンが印象的でした」(ブライダルコンサルタント 石井 愛彩さん)
「布でくるんだ『くるみボタン』でしたね」(杉村 久瑠実さん)
よみがえる大切な日の思い出。ホテルがなくなってしまうことに名残惜しさが募ります。
「何かイベントがあったら、すぐに『ロンド』に行こうというくらい生活の一部になっていました」(杉村 久瑠実さん)