「機種変更」したスマホを悪用?銀行窓口で1400万円"自分名義の口座"へ振り込んだはずが…70代女性 詐欺被害に
札幌市厚別区に住む70代の女性が、総合通信局や警察官を名乗る男から自宅にかかってきた電話をきっかけに、スマートフォンへ機種変更し、現金約1400万円をだまし取られる詐欺被害にあいました。
警察によりますと女性は1月中旬、総合通信局の「タナカ」と名乗る男から、「あなたの銀行口座の情報が流出している」と自宅に電話がありました。
その後、警察署の捜査2課の特殊詐欺担当「イグチ」を名乗る男から「あなたの口座が凍結されるので、別の銀行にお金を移しましょう」などと連絡があり、やりとりする中で、女性の携帯電話が古いことを指摘され、スマートフォンへの機種変更を勧められました。
女性がスマホへ変更すると、「イグチ」を名乗る男からビデオ通話などの機能を使い、マイナンバーカードや顔写真の撮影などを求められ応じたということです。
男は入手したデータから女性本人名義の新たな口座を開設したと見られ、現金を移すことを勧められた女性は2月28日、同市厚別区内の2か所の金融機関の窓口で、計約1400万円を振り込み、だまし取られました。
女性は振り込み後、「イグチ」を名乗る男と連絡が取れなくなったことを不審に思ったもののすぐには相談せず、6日後の3月5日に警察署に相談。事件が発覚しました。
本人名義の口座へ現金を振り込むために本人が窓口を訪れ手続きをするため、金融機関側が不審な点に気づきにくい新たな手口と見られます。
警察は詐欺事件として捜査するとともに、「金融機関の窓口に行きお金の振り込みを警察官が依頼することはない」として、詐欺だと思ったら警察相談専用電話「#9110」へ相談するよう呼びかけています。