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“求刑上回る”懲役21年の判決…「逆恨みによるものであまりにも身勝手。反省の深まり十分でない」元交際相手の小学校教師39歳女性を殺害した男に 釧路地裁

事件・事故 社会 友だち追加
送検される藤山被告(5月)

送検される藤山被告(5月)

 2023年5月、北海道東部の釧路町で元交際相手の女性を殺害したとして殺人などの罪に問われている男の裁判員裁判で、釧路地方裁判所は12月15日、男に求刑を上回る懲役21年の実刑判決を言い渡しました。検察は懲役20年を求刑していました。

 起訴状などによりますと、釧路市の無職、藤山功至被告は2023年5月、釧路町に住む元交際相手で小学校教師だった39歳の女性の自宅に合鍵を使い侵入した上、帰宅した女性の胸部などを、包丁で刺して殺害したとして殺人などの罪に問われています。
 
 これまでの裁判で藤山被告は起訴内容を認め、量刑が争点となっていました。

法廷内の様子 井草健太裁判長

法廷内の様子 井草健太裁判長

 12月13日に釧路地裁で開かれた裁判で、検察は「計画的犯行かつ極めて強固な殺意に基づく残忍冷酷なもの」などとして懲役20年を求刑。一方、弁護側は「反省し、自首が成立している」などと述べ、情状酌量を求めていました。
 
 12月15日午後2時から釧路地裁で開かれた判決公判で、井草健太裁判長は「犯行の計画性が高く、殺意は強固とみられる」とした上で、動機は「逆恨みによるものであまりにも身勝手」と指摘。その上で「反省の深まりが十分でない」として、求刑を1年上回る懲役21年の実刑判決を言い渡しました。

検察側が明かした経緯 時系列まとめ

法廷内の様子

法廷内の様子

▼2021年11月
 被告と女性は釧路市内で開かれた婚活パーティーで知り合い、交際を始める

▼2022年7月~11月
 被告が無断で女性のクレジットカードを使い、合計20万円以上をスマホゲームに課金

▼2022年10月~11月
 女性宅の鍵の写真を撮り、その鍵番号を元に、業者に合鍵の作製を依頼し、合鍵を入手

▼2022年11月末~12月初旬
 クレジットカードを無断使用していたことが女性に発覚。女性、被告、被告の母親の3人による話し合いの結果、被告が被害者に月々2万7000円ずつ分割して、合計25万3000円を弁済することを約束。この頃、交際関係は破綻

▼2022年12月
 被告は警察から別の人物Aに対するストーカー行為の警告を受ける

▼2023年3月下旬~4月
 被告が女性にLINEや電話で多数回連絡。女性は被告の母親に被告との関係を完全に絶ちたいことから残りの返済金を全部返済してほしいと告げる

▼2023年4月25日
 被告は警察から別の人物Bに対するストーカー行為の警告を受ける

▼2023年4月30日
 被告の母親が女性に残額を弁済。女性から今後一切かかわらないことなどを誓約させる内容が書かれた「念書」を受け取る。母親が「念書」を被告に渡した際、被告は破り捨て「殺してやる」などと発狂し、取り乱す

▼2023年5月2日
 被告が夜勤の際、被害者から絶縁されことに対して怒りを覚え、他人に取られるくらいなら、女性を殺害しようと決意

▼2023年5月3日午前から午後にかけて
 被告は夜勤明けに女性宅を3回下見。その間に殺害に使用する包丁2本をインテリアショップで購入。女性宅を4回目に下見した際、女性が不在であることが分かると、急いで自宅に戻り、包丁、被害者の合鍵、滑り止め用の手袋を用意し、女性宅に行く

▼同日午後6時ごろ
 手袋を付け、合鍵を使って女性宅に侵入

▼同日午後8時45分~午後9時2分ごろ
 女性が帰宅すると、寝室クローゼットに隠れ、包丁を握る。その後、女性がクローゼットを開けようとした際に、クローゼットから飛び出して襲いかかり、包丁で胸や首などを刺す
 →女性は胸や首に致命傷を負い死亡