12月1日から札幌市内のバス"2路線54便"が廃止 背景に運転手不足…4か所に通院の地域住民 タクシー利用で負担増に
北海道中央バスは12月1日のダイヤ改正で、札幌市内の2路線54便を廃止しました。
「路線が廃止となったバス停には黒いカバーがかぶせられ、廃止を知らせる紙が張られています」(小出 昌範 ディレクター)
廃止された路線のひとつが、札幌市白石区の「JR平和駅前」と「札幌駅前」を結ぶ路線です。
1日11往復が運行し、地域住民の貴重な公共交通機関として利用されていました。
運転手不足や2024年4月からの労働規制強化を受けて廃止が決まりました。最終運行日の11月30日、利用者からは困惑の声が。
「最寄りの地下鉄駅まで15~20分くらいかかる。希望を言うなら朝夕だけでもいいので、一番客が乗っている時間帯だけでも運行してくれれば」(廃止路線の利用者)
このバス路線をほぼ毎日利用する矢光忠則さん、61歳です。矢光さんは喘息のほかに心臓病や糖尿病などの持病を抱えています。
「持病があるので病院には4か所通っている。バス路線が廃止されたら、私は長い距離は歩けないのでどうしようかなと思っている。タクシーに乗るという人もいるが、毎日乗るわけにはいかない」(廃止路線の利用者 矢光 忠則さん)
矢光さんは最寄りの「白石本通17丁目」のバス停を利用してきました。
これが廃止されると500メートルほど離れたジェイ・アール北海道バスの「下白石」のバス停か、JRの「平和駅」まで歩かなければなりません。
足の不自由な矢光さんにとっては大きな負担です。
矢光さんは不安を抱えたまま、運行最終日のバスに乗り込みました。
そして、12月1日。バス路線廃止の日を迎えました。
矢光さんは通院と買い物のため、タクシーで出かけました。