「心臓マッサージしたが呼吸なく…」韓国の空港で倒れた苫小牧市長 救命処置した空港職員が語る“緊迫の現場” 現在は回復「良いイメージを持ってくれれば」
岩倉市長は地元・苫小牧港のPRのため7日から韓国に出張していました。
到着した仁川国際空港で入国審査を受けるために列に並んでいたところ突然倒れ、病院に搬送されました。
不整脈を起こしたとみられ一時、意識不明となりましたが、会話ができる状態まで回復し17日に帰国。現在は苫小牧市内の病院に入院しています。
当時、空港で岩倉市長の救命処置をしたのは、空港職員のチョン・ジョンソプさんです。
取材に当時の緊迫した状況を語りました。
「当時、私は入国審査の監督をしていた。お客様の順番などの対応をしていた。私は市長のすぐそばにいたわけではなかったが、いきなり騒がしくなったので倒れている人がいることにすぐに気がついた」(法務部仁川空港出入国・外国人庁 チョン・ジョンソプ・チーム長 審査2局審査13課)
ジョンソプさんは市長に駆け寄り、すぐに心臓マッサージを行ないました。午後5時25分ごろでした。
「あの時、なぜああいう行動をしたのか考えても分からないくらい体が自動的に反応した。すぐにCPR(心肺蘇生)をしようとなりました。意識があるのかどうかそれを判断するのでなくて、直感的にこの人は息ができないんだ、意識がないんだと。すぐにCPRをしました」(チョン・ジョンソプ・チーム長)
10秒ほど、心臓マッサージを続けると足が動き、呼吸している様子もうかがえましたが、呼吸が浅くなっていくのが分かり、再度、心臓マッサージを2分したといいます。
「2回目のCPRのときは何分も試みたが呼吸がなくて、ずっと亡くなったらどうしようという気持ちだった」(チョン・ジョンソプ・チーム長)
さらにジョンソプさんらは、10分ほど救命処置をして市長は仁川の病院に搬送。一命をとりとめることになりました。
国際空港のため連日多くの外国人が行き交いますが、ジョンソプさんが救命活動をしたのは初めてでした。
市長が回復したことについて安堵しています。
「すごくよかったです。私がした行動によって日本の方が韓国に対してすごく良いイメージを持ってくだされば何よりです」(チョン・ジョンソプ・チーム長)
ジョンソプさんは、岩倉市長が元気な姿を取り戻せたら会いたいとも話していました。
現在、岩倉市長は入院中で、苫小牧市は「治療に専念してもらい、当面の間は副市長が職務を代理する」としています。
(※インタビュー内容は、日本語に訳しています)