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「同級生からのお願いだったから」法務局職員が暴力団組長に登記情報をこっそり漏えい…手数料支払えば誰でも見られる情報なのに

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男性職員の処分を発表する札幌法務局(司法記者クラブ)

男性職員の処分を発表する札幌法務局(司法記者クラブ)

 9月1日、登記情報システムにアクセスし、当時暴力団組長であった人物に複数回にわたって登記情報を教えて個人情報を漏えいさせたとして、釧路地方法務局に務める法務事務官が懲戒処分されました。

 停職6か月の懲戒処分を受けたのは、釧路地方法務局に務める50代男性の法務事務官です。

 法務事務官は2021年1月から10月までの間に、当時暴力団組長だった人物の頼みに応じて不動産の地盤情報や法人の会社の代表者名などを5回にわたって教えました。

 法務事務官は法務局内にある登記情報などにアクセスできる権限を持たず、権限を持つ部下に業務で必要だと虚偽の説明をして情報を入手。

 2022年4月、北海道警察が登記情報を取得した方法について照会するよう札幌法務局に依頼したところ、不正が発覚しました。

 法務事務官と暴力団組長は中学校時代の同級生で、2020年に組長が経営する飲食店の同窓会で再会して以降、年に数回程度会うほど親交があったということです。

 引き受けた理由について、法務事務官は「同級生からのお願いだったから」などと話しているということです。金銭のやり取りなどはありませんでした。

 札幌法務局によりますと、登記情報は手数料を支払えば誰でも入手できますが、公開される情報であっても個人情報に変わりはなく、正規の方法以外で外部に流出させたことは個人情報の漏えいになるとしています。

 今回の件を受け札幌法務局総務監理官の谷石健氏は、「この度、札幌法務局管内の責任ある立場の職員が、重大な不正事案を発生させたことは極めて遺憾であり、国民の皆様に対し深くおわび申し上げます。 綱紀の保持・粛正については、これまでも機会あるごとに職員に対し周知・徹底してきたところですが、結果として十分に行き届いていなかったものと深く反省しているところであります。今後は、職員に対する指導・教育を一層強化し、綱紀の粛正について更なる徹底を図るなどして、国民の皆様の信頼回復に最大限努力してまいりたいと存じます。」とコメントしています。