人とAIの共創で企業の成長と働き方の進化を支える 「x3d(クロスサード)」武石幸之助さん
ゼロからの創業とAIとの運命的な出会い
――独立を考えたきっかけは何ですか。
「素晴らしい会社でしたが、事業が立ち上がり、組織が大きくなっていく様を見る中で、自分でもやりたくなってしまいました。会社作りもある種のクリエイティビティだと感じ、サイバーエージェントに5年いた後、2011年に自分の会社を作りました」
――起業当初はどういった事業を行いましたか。
「試行錯誤の末、モバイルコンテンツやゲーム事業の途中から事業転換し、ベトナムのハノイに組織を作りました。当時、国策としてITに力を入れていたベトナムのエネルギーを借り、現地のメンバーと共にシステム開発チームを構築しました」
――そこから今のクロスサードを創業する段階を教えてください。
「実は10年前からAIの開発はやっていました。ただ当時は機械学習などシンプルなものでした。転機となったのが、2023年頃のChatGPTの台頭です。あの瞬間を見た時にしびれ、これこそが人生のテーマだと確信しました。2023年にAI専用の会社、クロスサードを設立したのです」
粘り強い対話が鍵。AIを「育てる」という視点
――AIでビジネスをするにあたり、どのような戦略を考えましたか。
「大事なのは技術教育そのものよりも、文化を受け入れるための土台作りだと考えました。だからこそ、一番最初に目をつけたのが教育事業でした」
――教育というのは、AIの使い方を教えるということですか。
「使い方もそうですが、AIとの付き合い方や心得が重要です。どうすればより良く対話できるか、その先にどのような価値が生まれるのかという考え方を整理し、現場に浸透させる手伝いをしています」
――具体的な成果が出た事例はありますか。
「半年前にコーチングを始めた運送会社の社長さんの事例があります。当時は使い方が分からないと言っていたのですが、最近ではとてつもない業務改善システムを次々と構築されています。一つのロックが外れると、凄まじい勢いで進化し始めます。最近のAIは経営者のクリエイティビティを伴走して実現するパートナーになっています」
――経営者に伴走する際、どのようなメソッドを使っているのですか。
「AIと話すことは英語教育に似ています。型にはまって自分の意図を伝えられない人が多すぎるので、『プロンプトの例』といった決まった型を捨ててくださいと伝えています。素直な言葉で、粘り強く対話することが大切です。何度もコラボレーションを繰り返すと、答えが100点から120点へと近づいていきます。AIは人間が育てていくものです。関係性を構築していくと、自分以上の答えが出てくるようになります」
――これからの未来、AIとどう向き合っていくべきでしょうか。
「AIのない世界は、もはや不可逆です。これからはAIを取り込み、新しいライフスタイルを作っていく時代です。AIが人間の思考を代替することで、人間が思考を失ったり、暴走によってデータが消えたりするリスクもあります。正しい知識を持ち、付き合い方を理解しながら、豊かな人生や会社を作っていくことが重要だと考えています」

















