【スルメイカ_異例の休漁なぜ?】水産庁は「休漁は北海道の自主判断」…イカ漁師は「高市さんは『働け』というが働きたくても働けない」函館スルメイカ”休漁”の衝撃_増枠はもう不可能なのか<北海道>
突然の「休漁」で函館市内の鮮魚店では「今年最後のイカになるかも」の文字が…。
函館の観光名物・イカ釣りは24日も120匹ほど入荷する予定ですが、今後仕入れが難しくなればボタンエビの釣りに切り替えるということです。
「大打撃。皆さん、これ(イカ釣り)を求めてくる。これがないと寂しい」(活いか釣り堀 櫻庭のり子さん)
22日のニュースを見て急きょ札幌から来たという人もいました。
「きのうニュースでイカ釣り船が出ないということで、きょう来ないと間に合わないと思って急いで来ました」(札幌から来た観光客)
イカ釣り漁船の漁師らでつくる「北海道いか釣漁業協会」は22日から小型イカ釣り船が休漁することを決めました。
休漁の期間は2026年3月までで、理由は漁獲枠を超えたからです。
漁の途中で休漁となるのは極めて異例な判断です。
「高市さんは『働け働け働け』って言ってるけど、働けないんだから、働きたくても働けないから。(Q:貯金を切り崩す?)そうです。とにかく漁獲枠を増枠してもらうしか、我々のお願いとしてはそれしかない」(イカ漁師)
イカの資源保護のため水産庁は2025年度、全国で漁獲できる枠を2800トンと設定していました。
しかしイカが取れるようになり漁獲枠を増枠。
全国で公平性を保つため増枠は3回のみと決まっています。
最終的な漁獲枠の4900トンに対して漁獲量が5800トンを超えたため、休漁が判断されたのです。
「漁期が始まる前の資源予測よりも、もう少し海の中にはスルメイカがいるんじゃないかということで、もっと取っても持続的に(資源の)利用ができると判断して(枠を)増やした」(水産庁の担当者)
いか釣漁業協会は23日水産庁を訪問し、漁獲枠をさらに増枠することを要請しています。
そもそも資源保護のために設定された漁獲枠ですが、これについて専門家は…
「(漁獲枠を)決めるプロセスの中で十分に数量が科学的に正しいのか、分からない。イカの場合は今年生まれたものは今年全部死んでしまう」
「来年は環境が良ければまた生まれてくるし。結局資源があるのに使わない不合理をイカが流通しているところに負の部分を負わせることになってしまう」(いずれも北海学園大学 地域経済学科 濱田武士教授)
水産庁の担当者は休漁はあくまでも地元のいか釣漁業協会の判断だといいます。
「超過分は翌年の配分から差し引く、少しでも次年度に差し引くことで今回、(北海道の)自主休漁に至ったと水産庁ではみている」(水産庁の担当者)
函館で小型船が水揚げするスルメイカは全体の約9割を占めています。
定置網などによるイカ漁は現在も行われていますが、小型船のイカは主に刺身などの「活イカ」として流通していて、飲食店などに大きな影響が出るとみられています。