【実際の詐欺音声公開】宇宙飛行士を名乗り「酸素が足りない」警察官かたり「共犯関係にあったのでは」…“思考停止”に陥り思わず騙される 北海道の特殊詐欺の被害13億円に迫る_撃退した女性も
特殊詐欺の被害が、2024年を大幅に上回る勢いで増えています。
シチュエーションはさまざまで、宇宙飛行士を名乗るケースも見受けられます。
中でも多いのは警察官をかたる手口です。
“宇宙飛行士”名乗る詐欺の手口
札幌市手稲区に住む80代の女性のもとに届いたメッセージの内容は「いま宇宙船で宇宙に来ているが、攻撃を受けており酸素が足りない」というものでした。
宇宙から緊急で送信しているというのです。
相手はSNSで知り合った宇宙飛行士を名乗る男。
女性は酸素の購入費用として電子マネーを買うよう指示を受け、100万円をだまし取られてしまいました。
手口が多様化している特殊詐欺。
2025年は過去最悪のペースで増えています。
北海道警察によりますと、8月末までで287件。
被害総額は12億8000万円あまりで、2024年の同じ時期の3.7倍以上に増えています。
急増する「警察官かたり」手口
中でも急増しているのが、警察官をかたる手口です。
「人間がここまで判断力や冷静さを欠くというのは、被害にあわないと分からなかった」（詐欺被害にあった40代男性）
こう振り返るのは札幌市南区に住む40代の男性です。
警察官をかたる電話により、500万円をだまし取られました。
実際の詐欺電話の音声です。
巧妙な手口 実際の音声公開
「詐欺グループの事件の捜査を、警視庁本部が行っている。押収物の中から男性名義のキャッシュカードが見つかっているので、事件の当事者として連絡している」（警察官をかたる男）
以前、キャッシュカードを紛失したことを思い出した男性は、半信半疑ながら電話に耳を傾けます。
「男性名義の住所で〇〇号室という住居の、銀行のキャッシュカードが見つかった。なぜ犯罪者の自宅から見つかったのか」（警察官をかたる男）
「ごめんなさい。それはわからないです」（被害にあった男性）
「銀行口座を売ったり貸したり、共犯関係にあったのではないか。加害者になっている。東京に身柄を移す必要がある」（警察官をかたる男）
「東京に？ どうしたら無実を証明できるんですか？」（被害にあった男性）
相手が男性の住む部屋の番号まで把握していたため、信じ込んでしまいます。
