“甘いものは人を笑顔にする”ショコラを通じて世の中に感動を提供 「マサール」古谷健さん
道内の原材料、人、季節感、文化を凝縮 独自のおいしさを追求し、発信
――その反応はいかがでしたか。
「こんなお便りをいただきました。『フルヤのウインターキャラメル、おめでとうございます。私は昭和8年生まれ。子ども時代、近くの坂へのスキー遊びでは母がポケットにウインターキャラメルを入れてくれました。(キャラメルは)亡き母の写真に供えました。2代目様に感謝を込めて』。心を揺さぶられました。人々のかけがえのない思い出に寄り添うお菓子だったと気づかされました。父が言っていた『甘いものは人を笑顔にする』という言葉の意味を本当に実感しました」
――未来に向け、大切にしているものは?
「古谷製菓の創業から125年の歴史を引き継ぐ責任と誇りがあります。フランス菓子の伝統と北海道の風土の理想的なマリアージュを目指すという経営理念で取り組んでいます。故郷・北海道の原材料、人、季節感、文化をしっかり凝縮させ、自分たちにしか生み出せないお菓子を世の中に発信していきたい。北海道ナンバーワンの品格のある菓子屋を目指し、ショコラブラウニーを北海道を代表する銘菓に育てたいと考えています」