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JR北海道に道運輸局が“改善指示”―「安全の根幹にかかわる不適切な行動が繰り返し発生」「原因究明と改善措置を」見張りなしで保線作業や虚偽報告など 北海道

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道運輸局の井上局長(右)から改善指示の文書を受け取るJR北海道の綿貫社長(31日午後2時ごろ)

道運輸局の井上局長(右)から改善指示の文書を受け取るJR北海道の綿貫社長(31日午後2時ごろ)

 JR北海道の保線作業をめぐり、見張りを配置せず列車から汽笛を鳴らされたり、作業員が虚偽報告したりしたことなどについて、北海道運輸局が3月31日付けで、改善指示を出しました。


 この問題は、2024年11月9日未明にJR砂川駅構内で、保線作業員が必要な見張りを配置せずに作業し、貨物列車から汽笛を鳴らされたものです。列車は直後に非常停止しました。

 その後、作業員は上司に対し保安体制をとっていたとの嘘を報告。当初「道具を忘れて、取りに戻った」と話していました。

 さらに、上司も見張りをしなかったことを隠そうと、作業員全員に口裏を合わせるように伝え、作業計画表などを改ざんしました。

 道運輸局は2025年2~3月までの間、JR北海道への臨時の保安監査を6日間実施。その結果「改善を要する事実が認められた」と判断しました。

 また、この監査では、2024年11月16日に北海道南部の森町で発生したJR函館線での貨物列車の脱線事故の際に、安全確認を十分にしないまま対向列車を通過させたことにも触れています。ほかにも、池田保線管理室において徒歩巡視の際、線路閉鎖の手続きを適切に講じることなく線路内に立ち入ることが常態化するなど、安全の根幹にかかわる不適切な行動が繰り返し6件も発生していたことも認められました。 

 改善指示では、JR北海道に石勝線脱線炎上事故(2011年)と大沼駅貨物列車脱線事故における検査データ改ざん(2013年)を受けた2度の事業改善命令が出ていることにも言及し、安全への取り組みが適切に進捗しているとは言い難い状況と指摘しています。

 道運輸局はJR北海道に対し、原因究明に加え、社内ルールが確実に実行されていることを確認する仕組みを構築することや社内教育で安全意識の再徹底を図ることなど、改善措置を講ずることを指示し、4月30日までに報告するよう求めました。

改善指示を受け「再発防止に取り組む」などと述べるJR北海道の綿貫社長

改善指示を受け「再発防止に取り組む」などと述べるJR北海道の綿貫社長

 JR北海道の綿貫泰之社長は「指示をいただいたことを、重く受け止め、速やかに対策を講じ、安全な鉄道輸送を提供し続けるため再発防止に向けて愚直に取り組んでまいります」とコメントしました。


 また、利用者に対して「当社を信頼し、ご利用いただいているお客様をはじめ、関係する皆様方に多大なる不安や不信感を抱かせてしまいましたことについて、改めて、深くお詫び申し上げます」と述べました。


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