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【知床観光船沈没事故】遺族は悲痛な胸の内語る…運航会社の桂田精一社長らに損害賠償を求める裁判始まる―悪天候予想の中運航の一方…被告側は“過失認められない”と主張_責任の所在はどこに?

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3月13日の初弁論 遺族は悲痛な胸の内語る

3月13日の初弁論

3月13日の初弁論

 そして迎えた3月13日の初弁論。


 桂田社長は上下黒のスーツにマスクを着用して入廷しました。

 法廷では乗客の家族らが意見陳述し、悲痛な胸の内を明かしました。

 「桂田社長には事件の被害にあったのと同じくらいの子どもがいます。桂田社長は自分の子どもと接しているときに、自分の会社のせいで被害にあった子どもたちのことを考えないのでしょうか。私はどんなに子どもを抱きしめたい、子どもと手をつなぎたいと思ってもできません。いまは夢で会うことしかできません」(意見陳述・男性)

 桂田社長はこの意見陳述に対し、3回ほど頭を下げました。

 時折、椅子にもたれ、目を閉じて話を聞いていました。

意見陳述を聞く桂田社長

意見陳述を聞く桂田社長

 最大の争点は、悪天候が予想される中で出航を判断したことの過失を問えるかどうか。


 訴状によりますと、事故当日、気象庁の予報は風速15メートル、波高2メートルから2.5メートル。

 一方、自社の運航基準では「風速8メートル以上、波高1メートル以上」になる恐れがある場合、中止しなければならないと定められていたということです。

事故当日 運航基準では“中止”レベルの天候

事故当日 運航基準では“中止”レベルの天候

 「『運が良かった今回は…』で済ませていたから、このような大惨事に至ってしまったのではないでしょうか」(意見陳述・男性)

主張は対立 責任の所在は―?

対立する主張

対立する主張

 原告側は「出航を中止すべき天候が予想されていたにもかかわらず出航した」などと主張。


 一方、被告側は「海が荒れたら引き返す条件付き運航に従い、適切に運航することで回避は可能だった」として、過失は認められないと主張しています。

 事故からまもなく3年。

 責任の所在はどこにあるのか。

 裁判の行方が注目されます。


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