撤去計画は『提出されず』…20年間規模拡大続けた“ノースサファリ”「新たに設置許可を」vs「現施設の撤去が先」移転めぐり札幌市と深い溝も_北海道
札幌市の見解「移設計画」はー
「(過去に複数回)指導したときは『改善する』という回答をもらっているが、その後に建物が増えているので、ちょっと違うんじゃないのかという認識。(指導後も)確信犯的にやっているので、悪質性の部分は高く感じざるを得ない」(札幌市 開発指導課 坪田修一課長)
建物を撤去する除却命令、事実上の閉園命令が検討される中、運営会社の社長に今後の対応を聞くと…。
取材には応じませんでしたが、園のホームページでは。
「知識不足や考えの甘さから許可の遅れにつながったことを猛省しています。すべて是正していく方針で、動物の一時的な移動を含めた候補地を検討中。近隣の土地など、許可の取得が可能かも踏まえて検討中」とコメントし、すべての建物を撤去するとした上で、撤去計画を今週にも札幌市に提出する意向を示しています。
しかしここから先の対応方針は、札幌市との深い溝が見えてきました。
「こちらの立ち入り禁止のゲートから200メートル先にもゲートがあるんですが、そのゲートの向こうをイベント会場にすると説明したということです」(関根弘貴記者)
ここは運営会社がイベント会場として検討している、動物園から800メートル離れた土地です。
会社は、移設場所や建て替えのための動物の一時的な移動場所としてこの土地を検討しているとみられますが、ここも市街化調整区域で札幌市の許可が必要。
一方、許可を出す立場の札幌市は「違法な建物が撤去されない限り、新たな建物は許可できない」とし、「撤去が先」との立場を示しています。
この状況に専門家は。
「無許可状態があるのに『許可を出してくれ』というのは、基本的にはありえない。行政の手続きとしては、まっとうなことだと思います。違法状態の解消が先決で、その後許可を出すという流れになると思います」(はしもと行政書士事務所 橋本啓太さん)
違法状態が続くノースサファリサッポロ。移設計画が提出されても、先行きは不透明です。