【負債総額は7億円】創業113年目の老舗印刷業者が破産申請ー空港や新幹線駅に土産店を出店するも"ネット普及・印刷需要の落ち込み・紙インクなど材料費高騰"が響く_従業員は48人_北海道函館市「辻商事」
北海道の函館空港などで土産店「高砂屋」を運営していた北海道函館市の老舗印刷業「辻商事」が2月10日、函館地裁に破産申請をしたことが分かりました。民間の信用調査会社、帝国データバンクなどよりますと、負債総額は約7億円です。
1912年8月に創業し今年で113年目の辻商事は、函館本社と札幌工場での印刷業が主力。函館空港と新函館北斗駅の複合商業施設内で「高砂屋」の店舗名で観光土産店の運営もしていました。
関係者によりますと、函館空港の土産店には「臨時休業」と書かれた紙が貼られ、10日から営業を停止しています。
印刷部門では小ロットや多品種の印刷物に対応できる生産体制を強みに、新聞社や広告業者のチラシやパンフレットなどの印刷を手掛けていました。
札幌圏での印刷が好調だった2006年6月期には17億9500万円の売上高を計上していました。
しかし、近年はネット広告の普及や、大口得意先との取引がなくなるなど印刷需要の落ち込みが激しく、2019年6月期から赤字を計上していました。
紙代やインク代など材料費の上昇から2024年6月期の売上高は8億7200万円まで減少。業績の回復が見込めなくなったことから、2月9日に事業を停止し、弁護士に事後処理を一任しました。
2024年12月時点の従業員数は48人です。