【男子大学生集団暴行死】一貫して無抵抗だった被害者に"飛び蹴りやハイキック"など執拗な暴行を加え、さらに所持品を漁り金品を奪い命までも…刑事処分相当として少年ら4人全員を『逆送』"主犯格"は18歳の男
北海道江別市の公園で男子大学生が集団暴行を受けて死亡した事件で、16歳の少年ら4人の少年審判が1月7日までに開かれ、札幌家庭裁判所は4人全員を刑事処分が相当として検察官送致、いわゆる逆送とすることを決めました。
今後は、検察が少年ら4人を起訴するかどうか判断します。
この事件は2024年10月、江別市の公園で大学生の長谷知哉さん(当時20歳)に集団で暴行をして死亡させ、さらにクレジットカードを奪ったなどとして、長谷さんの交際相手を含む男女6人が逮捕されたものです。
札幌家裁で1月6日に17歳の少年と18歳の男子高校生が、翌日には16歳の少年と18歳の男に対する少年審判が開かれ、いずれも検察官へ送致されることが決まりました。
梶川匡志裁判長は、少年らの暴行について「一貫して無抵抗だった被害者に対し、長時間かつ執拗になされた相当強いもので、人を死に至らしめる危険が高かった」とした上で、「およそ暴行を受けなければならないような落ち度がないにも関わらず、被害者は長時間一方的に攻撃され、金銭等を奪われた上、最終的に生命を落としたのであって、その肉体的、精神的苦痛は計り知れない。結果は取り返しのつかない極めて重大なものであり、遺族が悲嘆にくれるのも当然である」と厳しく指摘しました。
4人の送致決定理由は以下の通りです。
■17歳のアルバイト従業員の少年について
17歳の少年は「最初は被害者に対して暴行を加えていなかったものの、共犯者が被害者に金品を要求するのに同調して金品を要求した」と指摘。また、長谷さんの顔面や腹部などを殴る蹴るなどの強度な暴行を何度も加えたとしました。
その一方で「少年が自ら警察に出頭し、少年なりに反省を深めようとしていることは考慮する」としましたが、その責任は「主犯格より劣るものの相当に大きいというべきである」としています。
■18歳の男子高校生について
18歳の男子高校生は「共犯者らほど積極的に暴行を加えてはいない」としましたが、長谷さんの所持品を漁り、主犯格の少年の指示で長谷さんに飛び蹴りをし、さらに自らの判断で逃げようとする長谷さんにハイキックをするなどの暴行を加えたと指摘しました。
男子高校生が「自首をして反省を深めていること」「少年の家族が更生を支えることを誓っていること」を考慮しても措置は相当としました。
■16歳のアルバイト従業員の少年について
16歳の少年は「共犯者が被害者に対する一方的な暴行を開始した後で被害者に腹を立て、自ら被害者の腹部を強く蹴ったほか共犯者から指示された際にも同様の暴行を行った」と指摘。
共犯者に従った行動だったことや、警察へ出頭し反省の態度を示していることは考慮したうえで「動機は身勝手極まりない理不尽なもので酌むべき点はない」としました。