【交際相手らによる集団暴行死】死刑か無期懲役か…カード奪い現金引き出し“強盗致死罪”に―エスカレートした集団心理で陶酔?「絶対的な支配感や万能感呼び起こしたかも」北海道江別市
事件の引き金は「恋愛のもつれ」
長谷さんは事件前、就職活動などを理由に八木原被告と1年後をめどに期限を決めて別れることを切り出していたという。
長谷さんは発見される前夜の10月25日、八木原被告と会う約束をしていたため千歳市にある寮からJR函館線の大麻駅に向かい、その周辺を歩く姿が付近の防犯カメラに残されていた。その後、八木原被告のバイト先で合流した長谷さんは八木原被告の自宅で交際をめぐってやりとりする。この時の会話は、八木原被告がスマートフォンのスピーカー機能を使い川村被告らにも聞かせていた。
やりとりを耳にしていた川村被告らは長谷さんに謝らせようと、男ら4人と共に江別市の公園へと軽乗用車を走らせた。
エスカレートしていく暴行、そして強盗へ
八木原被告と合流した川村被告らは、長谷さんを人気のない場所へ移動させる。そして、暴行が始まった。6人は長谷さんの腹や顔面に殴るなど暴行を加えると、徐々にエスカレート。長谷さんの腹や顔面を足で踏みつけ「全部出せ。全額」「クレジットカードもな」「銀行カードあんのか」と脅し、現金約2000円のほか、クレジットカードとキャッシュカードを奪ったのだ。恋愛のもつれから派生した集団による暴行は、いつの段階か、1人の男性から金銭を奪うための暴行に変わっていた。
この間、6人の一部がこの暴行の様子をスマートフォンで撮影。カメラフォルダには長谷さんに因縁をつけ謝罪させる動画が残っていたという。
長谷さんの交際相手だった八木原被告は警察の調べに「直接手を出さなかったが、ほかの人の暴行の様子を笑ったり煽ったりした」と話している。
激しい暴行の末、カードなどの暗証番号を聞き出した6人はすぐ近くのコンビニへ移動し、奪ったクレジットカードでタバコ25箱などを購入した。これだけにとどまらず、八木原被告以外の5人は場所を移動し、札幌市白石区のコンビニのATMで奪ったキャッシュカードを使い12万7000円を引き出した。残高は数百円しか残っていなかった。
その後、長谷さんからはぎ取った衣服やスマートフォン、使い果たしたカード類は札幌市内の川へ遺棄したとみられている。