再編進んだスーパー業界 『イトーヨーカドー&西友』が撤退し“黒船ロピア”襲来…地域では客の争奪戦ではなく「相乗効果」も 北海道
「寂しいなって感じですね」(当時の利用客)
「(今後は)買い物難民になるかも」(当時の利用客)
2024年2月、業績不振でイトーヨーカドーが北海道から撤退することを発表。
1996年に開店した福住店は札幌ドームの最寄りの地下鉄の駅に直結で、プロ野球やサッカーの試合がある日は大勢の人でにぎわいました。
人気アイドル「嵐」のコンサートの日は“嵐一色”に染まりました。
「(Q:テンション上がります?)上がります!」(嵐ファン、2016年)
1975年の北海道進出後、最大15店舗を展開し暮らしを支えてきたイトーヨーカドーですが、2025年1月、札幌の2店舗の閉店で50年の歴史に幕を下ろします。
札幌の4店舗は3店舗がロピアに、1店舗は帯広のスーパー「ダイイチ」が受け継ぎます。
1973年の北海道進出後、最盛期には11店舗を展開しましたが、経営不振で2000年代に世界最大手の小売企業「ウォルマート」の傘下に。
2024年4月にはイオン北海道が買収を発表しました。
「いやぁ涙出そうでした」(利用客)
「本当に悲しいです。ことあるごとに利用していたので」(利用客)
スーパー再編が進む中、北海道に初進出した「ロピア」。
屯田店の周辺は、他にスーパーが6店舗集まる激戦区ですが、早くも“黒船効果”が現れ始めています。
「ロピアがオープンする対策とイトーヨーカドーが今までネット宅配をやっていて、それがなくなって困るというところを何とかお手伝いできないかと始めた事業です」(北海市場屯田店 斉藤亮彦 店長)
新たにネット宅配をスタートさせた「北海市場屯田店」。
ライバルとの差別化に取り組む中、ロピアのオープン1か月で売り上げが減るどころか前年から3割増加しました。
特に鮮魚が好調で、運営側は「戦いというより共存、むしろ商機となった」と受け止めています。
流通業界に詳しい専門家は、黒船襲来が消費者にもメリットを及ぼすと指摘します。
「(道外の)ロピアが来た地域はみんな活性化しています。当然ながら(他店は)みんなファイティングポーズを取りますので、全体としての地域のサービスレベルは消費者にとって改善されるんじゃないか」(流通アナリスト 中井彰人さん)
2024年大きく再編が進んだ北海道のスーパー。
2025年は私たちの生活がより豊かになることに期待が高まります。