参加者は車いす『立たない立ち飲みバル』初開催! 障がい者と“同じ目線”で互いを理解…「難しいけど面白い」「興味を持つだけで街は変わる」 北海道旭川市
車いす利用者も賛同
五十嵐さんの施設に通う三田地正則さん(49)もイベントに賛同した1人です。
交通事故が原因で頸椎を損傷し、胸から下は感覚がなく、握力はゼロ。21歳から車いす生活です。
移動はもっぱら車。運転席に体を移した後、車いすを後部座席に積み込むところまですべて自分でこなします。
「アクセルとブレーキはこのレバーと連動していて、この輪に手を入れてハンドルを回しています」(三田地正則さん)
開催当日にまさかのアクシデント
ただバル開催当日、事前に行われた勉強会に車で向かう中で、思わぬアクシデントに遭遇していました。
「2台止めるところがあるんですけど、もう2台ふさがっちゃってるんで、駐車場を探したいと思います」(三田地さん)
会場の障がい者専用の駐車場がいっぱいで、入口から離れた一般の駐車場に止めることになりました。その後車いすで会場に向かいますが、目の前に車が行き来する駐車場は、簡単には進めません。
「雪道が固まってればいいんですけど、急にやわらかい道があるので」
「(Q腕は疲れませんか?)舗装した道路を走るより10倍疲れます」(三田地さん)
ようやくたどり着いた会場入り口ですが、今度は雪道の段差がハードルに。記者がサポートしました。
「今、雪が降ってなかったから良かったんですけど、帰る時間、本当に吹雪いていたら、車止めたところまでいけるか不安です」(三田地さん)
ようやく到着したバル…交流は笑顔あふれる
移動ひとつとっても困難が伴う車いす生活ですが、バルでの交流は笑顔があふれました。
「(全員が)同じ目線で食事をするから、すごく楽しいです」(三田地さん)
「今回は車いすの人たちがいわゆる多数派という中で、お互いが気づきあえたというのが、すごく収穫のひとつなのかなと思う」(車いす利用者の参加者)
「いろいろな地域でこういう体験できる機会があると、街中で車いすの方を見かけたりとかしたときに、自分でもしてあげられることがあるのかなって」(参加した健常者)
「これを見ていただいて、そうなんだとちょっとでも気に留めてもらって興味をもってもらうだけで、実は街って変わるんだなと思っている」(五十嵐さん)
誰もが暮らしやすい社会を目指し、互いの立場を理解する…。バルがバリアフリーの重要性を伝えるきっかけになったようです。