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「私たちの商売、引き継ぎませんか?」 夫婦で切り盛りする地域でたったひとつの商店 後継者がいない問題にどう向き合うのか… ”後継者不足”全国ワースト4位の北海道で進む支援の取り組みとは?

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後継者不在率 全国ワースト4位の北海道

北海道事業承継・引継ぎ支援センター

北海道事業承継・引継ぎ支援センター

 札幌商工会議所が運営する「北海道事業承継・引継ぎ支援センター」です。


 「承継」とは「事業や仕事を引き継ぐ」という意味の法律用語。

 北海道には12年前にセンターがつくられました。

 「北海道は後継者不在率が非常に高い地域。国をあげ取り組んでいかないと、経済がダメになるので取り組みが始まった」(北海道事業承継・引継ぎ支援センター 糀屋剛さん)

 北海道の後継者不在率は、鳥取、秋田、島根に次いで全国で4番目の高さです。

 事業承継・引継ぎ支援センターに寄せられる相談はこの10年で増え続け、約700件に。

 センターの活動が広がるにつれて、2023年度は116件の契約が成立しました。

 「経営基盤を引き継ぐので場所・設備・客も一緒に引き継ぐ。比較的リスクが低い形で創業できる」(糀屋さん)

昆布の加工会社を引き継ぎ社長になった人も

2023年度は116件の契約が成立

2023年度は116件の契約が成立

 事業承継・引継ぎ支援センターを利用して、浦河町で社長になった人がいました。


 日高昆布の加工会社を引き継いだ石見元気さん34歳です。

 石見さんは元々浦河町の漁協に勤めていましたが、前の社長が高齢のためセンターに登録したことを知り、後継者になることを決意しました。

 「(Q:これはどこに発送する?)関東方面ですね。前社長が取引していた顧客と
そのまま仕事できるのが一番の利点」(石見さん)

 しかし、引き継いだだけでは、売上は横ばいのまま。

 石見社長は新たな事業を考えます。

新たな事業を展開

新たな事業を展開

 「うちのホームページです。通販です。個人客から(注文が)来ますね」(石見さん)


 「引き継ぐだけではなく譲り受ける人の創意工夫が加わり、今までの事業に新しい考え方や取り組みをプラスして展開する人が増えている」(糀屋さん)

引き継いでくれる人にはサポートを惜しまず

後継者を探す細川さん

後継者を探す細川さん

 後継者を探している、平取町貫気別の細川商店です。


 「若い人なら配送サービスなど利用できるんだろうけど(平取町貫気別は)そうじゃない人の方が多い」(常連客)

 「(Q:客は高齢者が多い?)そうですね。住んでいる人は大体そういうかんじ」(幸子さん)

 貫気別は平取町の中心部から車で約30分。

 昭和の時代には約1400人が暮らす集落でしたが、現在は300人ほどに減りました。

 「もし引き継いでくれる人がいて、何か(新規事業を)考えなかったら(厳しい)」(幸子さん)

 午後5時に閉店。

 この日の客は20人で売り上げは5万円ほどでした。

 「店を半分に仕切って、こっちで(商店を)やって、こっちで別の事をやってもいいし、コンビニみたいな形でやってもいい」(幸子さん)

 細川さん夫婦は引き継いでくれる人にはサポートを惜しまず、協力していきたいと思っています。


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