<ジョギング中にクマ 命救ったのは常備していたスプレー>九死に一生を得た男性が語る一部始終「これがないと…今ごろ、私は生きていないかもしれない」 北海道美唄市
一方、高まる関心の裏で恐怖や焦りからスプレーをうまく噴射できない人も多いようです。
「安全弁を外せなかった。慌ててしまって押しても出なかった。腰についてぱっと出してすぐ打てる練習はしていて損はない」(秀岳荘 森山 俊さん)
札幌市で開かれたクマよけスプレーの講習会には大勢の人が参加しました。
「よく間違われるのが持ちやすいからってこうやって持つ方がいるが逆で、オレンジ色の部分が安全弁になっていてこれがあると押せない」(森山さん)
参加した男性も登山中にクマと遭遇した経験がありました。
「登山道を下りているときに“でかい犬”がこっちに走ってくると思ってよく見たらクマ。そこからスプレーを買ったがなかなか使うことがなくて今回はよい機会」(参加した男性)
では、クマよけスプレーはどれほどの効果があるのでしょうか?
「直接(クマの)顔に当たらなくてもガスの成分がクマに届くだけで、クマは踵を返して逃げていく」(森山さん)
「噴射した瞬間に視界が真っ白になり遅れて臭いが来るので、クマであっても威力を感じるのだと思う」(すべて木村 洋太記者)
クマよけスプレーはクマと遭遇した時に人が反撃できる唯一の武器ともいわれています。
「昔はナタを持って歩くというのが常識とも言われていたが、なかなか振り回して攻撃するのは難しい。飛び道具なので持っておくだけで安心感は違う」
「最終的な非常手段です」(ともに森山さん)
クマよけスプレーで九死に一生を得た美唄市の関さんもこう言葉に力を込めます。
「クマスプレーがあるから少しは冷静な気持ちもあった。持っていてよかった。これがないと今ごろは私は生きていないかもしれない」(関さん)