【グッバイ諭吉】新紙幣発行まで残り2週間 券売機や自販機の対応に悲鳴「その予算が出せない」…新1万円札“渋沢栄一”ゆかりの町 記念グッズで盛り上がる
そして今回、早くも盛り上がっている町が。
人口約8800人、北海道十勝地方の清水町です。
駅前にある清水町の地図には、『渋沢栄一ゆかりの地』と記されています。
新1万円札の肖像に描かれている渋沢栄一。
明治時代に現在の「サッポロビール」など国内500以上の企業の設立にかかわり、「近代日本経済の父」と呼ばれています。
清水町役場には垂れ幕が掲げられるなど、町のいたる所で歓迎ムードが。
清水町と渋沢栄一に一体どんな縁があるのでしょうか。
「町内に熊牛という地区がある。そこに渋沢栄一が農業を発展させるため小屋を建てた」(清水町民)
1898年、渋沢は現在の清水町熊牛地区に「十勝開墾合資会社」を設立しました。
当時、北海道では最大規模の農場を造って畑作や酪農を行い、開拓に努めたのです。
その会社が大正時代に建てた牛舎は、100年以上たった今も現役で使われています。
町の礎を築いた渋沢が新紙幣に起用されることに、清水町は沸いているのです。
「清水町にゆかりのある人の紙幣を使うのが楽しみ。グッバイ諭吉!」(清水町民)
清水町では新紙幣が発行される7月3日に記念式典を行います。
また、町内の小中学校の給食で渋沢の出身地、埼玉県の郷土料理を提供することにしています。
阿部一男町長は。
「十勝開墾合資会社で農業を始めたその精神が脈々と受け継がれ、今の清水町があるのだと思う。おいしい農産物を、そのおかげでとれるようになった。おいしいものを届けるのが私の役目だと思う」(清水町 阿部 一男 町長)
新紙幣の発行にあわせて、こんなことも。
「お待たせしました。こちらが『渋沢栄一どら焼き』です」(銘菓と洋菓子 静月 只野 敏彦さん)
「渋沢栄一どら焼き」とは、どんなものなんでしょう。
実は、焼き印で似顔絵が描かれたどら焼きなんです。
十勝地方産の小豆をふんだんに使い、甘い仕上がりになっています。
町内ではこれを含めてあわせて7店舗で、渋沢の焼き印入りの記念商品を販売します。
「商売をやっているので、日本経済の発展のもととなった人物をすごく尊敬している」(只野さん)
新しい機械の導入ができず困る人がいる一方で、町をあげて喜んでいる人たちもいます。
新紙幣発行は2週間後に迫っています。