日当5万円超でも苦戦する事態も顕在化…2024年問題による"人手不足" 「効率化&技術継承」に打開策を見出す建設現場 北海道
墨付けされたものをノミを使って手で刻むのが「手刻み」。
「あまり(手刻みを)やらせてくれる会社がないのでやりたかった」(見習い大工)
現場にいたのは下は18歳から上は78歳まで。幅広い年代が混在することで、技術を伝える環境が生まれます。
会社の敷地内にある築100年以上の古民家。約20年前に北海道由仁町から移築され、自社の大工で再生させました。
「(通常は)機械で解体して産廃処理をしてしまう。うちが新築でやるよりも立派だったのでもったいないから使ってみようというのがきっかけです」(武部社長)
20年前から取り組んでいる古民家再生は、現代的な暮らしやすさと伝統的な間取りを大事にしたモダンクラシックをコンセプトに掲げています。
大手ハウスメーカーには真似のできない得意分野として、新しい入社を志望するきっかけになったといいます。
「大工の育成にもものすごい役に立つ。伝統的な木組みの構造も学べる。今のプレカットとは違った作り方を身に着けることができる」(武部社長)
古民家の解体にも多く携わるようになり、逆に解体した建材を再利用した現代建築も手掛けていました。
栗山町のレストラン「サメオト」は、社有林から造材した丸太が特徴的な外観と、内装は梁として使われていた建材を柱にして、歴史を感じながらもモダンに仕上げました。人材不足を背景にAIやロボットの活用が進む業界の中でも、いかに人を大事に育てるかが業界で生き残るために重要だといいます。
「それぞれのお客さんの好みや暮らし方を反映した住宅の規模で、システムを開発したりロボットを製造する予算より人間の育成にかけたほうが圧倒的にいい。経営として工務店という業態が将来的に生き残っていくのは間違いない。そこで一番基幹技能者として活躍するのが大工」(武部社長)
効率化を進めながら時間のかかる技術習得のためにも伝統建築も手がける。
この環境づくりが建築業界の人手不足を乗り切るヒントかもしれません。