イオン北海道が西友の9店舗を買収 進む“スーパー再編”が暮らしに影響…人口減少による市場縮小から生き残る “業界トップ”を目指すワケ
「イオン北海道」は4月2日、「西友」の北海道内の全9店舗を170億円で買収することを発表しました。
西友の利用客は、どのように感じているのでしょうか。
「楽天ポイントがたまるのが良くて、西友でためていた。そのあたりが、どうなるのか」(西友の利用客)
「ちょっと特別感のある西友だったから、『なくなるんだな』と思って買い物をしていた。なくなるのは寂しい」(西友の利用客)
「プライベート商品を買っていたので、それがなくなるのは寂しい」(西友の利用客)
「西友」が北海道に進出したのは1973年。
札幌市を中心に、一時は岩見沢市や滝川市にも店舗を広げて最盛期は11店舗に。
その後、経営不振から2000年代には世界最大手の小売企業「ウォルマート」の傘下に入りました。
「エブリデイ・ロー・プライス」を掲げ、プライベートブランド「みなさまのお墨付き」は人気商品に。
現在、北海道9店舗での売上高は約261億円。
なぜ、買収されるのでしょうか?
流通業界に詳しい専門家は。
「西友の株主というのは、事業の地域ごとの売却を想定したファンド。西友を長きにわたって事業会社として経営するという経営体ではない。北海道についてはイオン北海道との合意ができた」(流通アナリスト 中井 彰人さん)
3年前には「西友」の株式の大半を、アメリカの投資ファンドなどが取得しました。
流通アナリストの中井彰人さんによりますと、投資ファンドは「西友」の店舗を地域ごとに売却することを進めていて、その第一歩が今回の北海道での売却だったというのです。
それでは、買収する側の「イオン北海道」にとっては、どのようなメリットがあるのでしょうか?
「社会問題として一番大きな問題のひとつが人口減少。マーケットのサイズが小さくなれば、弱い方から削られる。地域の一番店を取っていくことが非常に重要。こういう意味でイオングループにとっては、非常に意義のある買収だと思う」(流通アナリスト 中井 彰人さん)
人口減少による市場縮小の中で生き残るため、北海道のスーパー業界1位の座を確実にしようという意図があるとみられます。