「参画は検討可能」札幌との石狩市"ロープウエー構想" 企業から前向きな意見続々…採算性&需要予測の課題も浮上 北海道
北海道札幌市と結ぶ新たな交通手段として石狩市が検討している「ロープウエー構想」。実現可能なのか、市が企業に募っていた意見がまとまり、2月29日結果が公表されました。
一度に多くの人を運ぶことができ、交通渋滞の心配もないロープウエー。
横浜市で2021年から運行を始めた規模の何倍ものロープウエーを、北海道石狩市が札幌と結ぶ新たな交通手段として検討しています。
同市が2023年11月から参入する意向があるかなど意見を募ったところ、北海道内外の10の企業から意見が寄せられました。
現時点で参入の意向を示す企業はありませんでしたが、「運営を第3セクターが担うなら参画は検討可能」「商業施設へ乗り入れることも検討」など前向きな意見が寄せられました。
一方、「ルートは採算性を最重要視する」、「需要リスクを懸念する」などの課題も明らかになりました。
「おおむね反応としては、比較的前向きなコメントをいただけたのかなと思っている」(石狩市 企画経済部 加藤 純 課長)
石狩市は路線バスとタクシーしか公共交通がない上、冬には吹雪などで通行止めもあることから、安定的な札幌とのアクセス手段が長年の課題となっています。
30年以上前から地下鉄延伸やモノレールなどで札幌と結ぶ計画を検討してきましたが、建設費が巨額のため断念。
しかし、技術も進歩し、豊富な再生可能エネルギーを活用できる立地をいかし、再び可能性を探っています。
構想では企業誘致が進み、推計2万人以上が働く石狩湾新港を起点に、JR手稲駅、地下鉄南北線の麻生駅、地下鉄東豊線の栄町駅、丘珠空港までをロープウエーで結ぶ3つのルートについて検討し、意見を募ってきました。
前向きな意見が寄せられたことを市民は…
「できればいいですよね。早いでしょバスより」(石狩市民)
「本当に実現するかわからないけど、もし実現となれば、利用する人も増えるんじゃないかなと思います」(石狩市民)
「乗りたいです。石狩市はバスしかないからあまり交通機関を使ってでかけたことがない。子どもを連れて乗るのが大変だから」(石狩市民)
「乗ってみたーい!」(石狩市民)
石狩市は今後、需要予測や官と民の役割分担など、実現に向けより詳しい調査を進めていくとしています。
「利用者がいないと成り立たないものだと思っているので、需要の予測を精度の高いものにしていければと思います」(加藤 課長)
同市は早ければ5年後にも実現を目指したいとしています。