若手ハンターに"ベテランの技"継承「誰かがやらなきゃ」エゾシカ急増で農林業被害も拡大 札幌で『ボランティア駆除隊』が始動
増えすぎたエゾシカと人間との軋轢が深刻化しています。
札幌市内ではこれまで被害が少なかった地域でも農業被害が確認されるなど、被害が拡大。
そこで活躍していたのは若手ハンター達でした。
ボランティア駆除隊 石田 拓也 さん:「どこにシカが足を置くか、を考えた上で、わなを置くことで、同じ"シカ道"でも、全然ヒット率が違う」
先輩ハンターから指導を受けてるのは、ハンターになって5年目の道上綾子さんです。
ボランティア駆除隊 道上 綾子 さん:「かけ方にしてもコツがあると思うんですけど、それも教えてくれるので」
道上さんは野生動物の被害を防ぐため、有志により発足した「ボランティア駆除隊」に所属しています。
鎌田 祐輔 記者:「大きな角を持ったオスのシカです。草を食べているんでしょうか、草の中に顔をうずめています」
これは7月26日、札幌市北区篠路町付近で撮影したシカです。
いま札幌の北東部ではシカによる農業被害が増加しています。
道上さんは農家の助けになりたいとして、駆除隊に参加しました。
ボランティア駆除隊 道上 綾子 さん:「誰かがやらないと、農家さんは困っちゃうので」
農業被害を食い止める駆除隊の活動を追いました。
萩中牧場 萩中 昭夫 さん:「ここがシカの通り道になっている。ここを一回下に下がって、隣のデントコーン畑に上がっていく」
札幌市北区篠路町で酪農業を営む萩中昭夫さん。
萩中さんの畑ではここ数年、シカによるデントコーンや牧草の食害が増えているといいます。
萩中牧場 萩中 昭夫 さん:「5ヘクタールあって、1割はやられているのではないか。牛のエサが高いですから、貴重な飼料を失うのはすごい打撃が大きい」
さらに被害は、付近の農家でも。
HOKKAIDO FUJII FARM LABO 安斎 哲也 統括管理部長:「植えたイモを掘り返されて、新しい芽を食べて、荒らしていった感じですね。子ジカと大きいのが一緒にいたり。今までイモの芽を食べられたというのは聞いたことがない」
この畑では栽培しているジャガイモの約2割が被害を受けています。
HOKKAIDO FUJII FARM LABO 安斎 哲也 統括管理部長:「高く売れる時期に作りたいので。せっかく早く植えても食べられて、また遅れて植えるということになると、普通のジャガイモと一緒の値段になってしまうので」
北海道によりますと、道内のシカの生息数は増え続けていて、2022年は推定、約72万頭に達しています。
それに伴って被害も増加していて、農業を中心に45億円に上りました。