【負債総額7億円超】創業78年…百貨店やスーパー向けのレトルト食品製造メーカーが“特別清算”開始決定―地元原料を優先し赤字続きに<北海道札幌市>
札幌市のレトルト食品製造会社「北海道ユリカゴ」が札幌地方裁判所から特別清算の開始決定を受けていたことが9月29日、わかりました。民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」によりますと、負債総額は7億2800万円です。
信用調査機関「帝国データバンク」の調べでは、「北海道ユリカゴ」は1947年8月に創業。1957年に「北海道農林工業協同」から「クレードル興農」に商号を変更し、百貨店やスーパーに向けにオリジナル食品の製造を手がけていました。
コーンやジャガイモを使ったレトルト食品をはじめ、アスパラガスやゆで小豆の缶詰商品などで全国に営業展開し、2015年には24億900万円の売上高を計上していました。
東京商工リサーチによりますと、道産の原料を優先していたことで、天候不順による収穫量が減り、品質が低下した際の影響が大きく、2018年以降は赤字が続き、操業停止をしていた工場への設備投資で債務が膨らむなどして、2020年の売上高は約15億8000万円、2022年の売上高は約14億6000万円になっていました。
自力での再建が難しいことから、2023年10月に現在の商号に変更した上で、事業や工場、従業員を「コープさっぽろ」のグループ会社として新たに設立された会社に譲渡しました。
その後清算を進め、2025年3月末の株主総会の決議により解散しました。