【63年の歴史に幕】皇族や各国VIPを迎えた名門ホテル「札幌パークホテル」老朽化で2027年2月末で一時閉館へ…守り続けたホテルマンが語る「残したい伝統」と街の記憶…63年の伝統を次の時代へ〈北海道〉
この部屋を利用したVIPとは…
「アメリカのクリストファー国務長官や中国の江沢民国家主席など各国の方々がいらっしゃいました。日本では皇室の方々がこちらのお部屋をご利用いただいております」(首藤さん)
有田焼の壁だけでなく、滝が流れる美しい中庭や、エレベーター前の大理石の壁は開業当時のままだといいます。
そして、地下には会員制の「パーククラブ」が…
ここには長年、政財界の重鎮が集まり、道内の政治経済を動かす舞台となりました。
しかし、まもなくその歴史に幕が下ろされます。
「こちらはベルマンの制服で、こちらはロビーサービスかエレベーター係の制服。フロントサービスやエレベーターガールという名前があって、昔エレベーターに人が付いていたんですよ」(元副総支配人 前谷辰夫さん)
大学を卒業してすぐに、ここでホテルマン人生を歩み始めた前谷辰夫元副総支配人です。
「建物を壊すのが非常にもったいないなと思いますね。できれば有形文化財かなそんな風にしてでも残した方が良かったかと思います」(前谷さん)
あと5か月ほどで迎える閉館の日。
客室係の首藤さんは、きょうも厳しい目で館内を整えます。
きれいに見えても老朽化は進んでいます。
首藤さんは壁に不具合がないか手で触れて調べます。
「璧紙が壁にしっかりついている部分と、浮いている所がある。クラックですね。音が違いますでしょ。壁紙が浮いていると、音が少し高くなるんです。常に手でこうやって擦るもんですから指紋があまりなくなって、こすれてしまった」(首藤さん)
かつて大型ホテルが3つだけだった札幌。
時代が変わり外資系をはじめとしたホテルが林立するなか、次の時代への準備のため一時閉館します。
「何年後になるのか私も存じ上げませんけれども、新館が建った時には、伝統が残って引き継がれてほしいという願望があります」(首藤さん)
半世紀以上にわたり、街の記憶を刻み続けてきた「札幌パークホテル」
その歴史と誇りを胸に、閉幕の日まで歩み続けます。















