【山の達人に学ぶ”生き残り術”】標高1900メートル“黒岳の山小屋”で小屋番を経験した吉井気象予報士に”登山のプロ”がサバイバル技術を伝授〈北海道〉
自然災害は待ったなし。
時にライフラインが大きな影響を受けます。
「黒岳石室が見えてきました。大自然の中にポツンとたたずんでいます。石室以外、人工物はありません」(吉井庸二 気象予報士)
標高約1900メートル。
北海道の中央部、大雪山系にある黒岳石室です。
私は黒岳の自然が大好きで、この夏何度か山小屋で小屋番をさせてもらいました。
山小屋での暮らしが災害時に生かせると思い、今回は取材のため山に登りました。
「こんにちは。よろしくお願いいたします」(吉井気象予報士)
取材に協力してくれたのは、長い間、小屋番を務める清水祐吾さんと橋野亮平さんです。
「水はこの雨水のみです。屋根に降った雨が雨どいを伝って、このオレンジのタンクにためて使っています」(清水祐吾さん)
まず重要なのが、飲み水の確保です。
山小屋では携帯用の浄水器で雨水をろ過してから煮沸します。
雨が降らなければすぐに不足するため、大切に使っています。
「米を炊いてご飯を食べて、最後に(鍋で)みそ汁を飲んで。ペーパーで拭き取って食器を洗う水を使わないようにしている」(清水さん)
水が使えないと困るのが「トイレ」です。
黒岳石室には水が要らないバイオトイレが設置されていますが、携帯トイレも使います。
「こちらが携帯トイレブースです」(吉井気象予報士)
日本トイレ協会の調査では、災害用のトイレを備えていると答えた人は3割弱。
国は、1週間で1人35回分は使えるだけのトイレの備蓄を呼び掛けています。
そして、登山者の多くが愛用し、防災にも役立つのが手ぬぐいです。
「首に守るのに巻いたり、あと帽子の中にして汗止めにしている。吸水性がよくてすぐ乾く」
「3枚(持っている)。顔用、ものを拭く用、何かあった時用。縁を縫ってないのはすぐ乾くために。縫い目がないという手ぬぐいの特長。折って縫うと、そこが乾きにくいから」(いずれも登山者)
特に両端を縫っていない、切りっぱなしになっている手ぬぐいは包帯にも使えます。
「ケガした時もちぎって包帯代わりにしたりとかもできるし、日差しが強い日は頬かぶりすればちょっと涼しい。ぬらして絞ってかぶれば、なお涼しい。寒い日なんかは首に巻いたりとか、いろんな用途で活躍しています」(清水さん)




















