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【コンサドーレ】”目標はバルセロナ”「ブスケツの次は自分だと本気で思っていました」深井一希独占インタビュー(1)度重なる試練から這い上がり続けた“不屈の男”の足跡をたどる

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CLを制覇したブラジル代表DFとも対峙したU-17W杯-

 2011年のU-17ワールドカップ。当時、高校2年生の深井は、南野拓実らとともに日本代表に名を連ね、アンカーのポジションで全5試合のうち4試合に出場。準々決勝でブラジル代表に2-3の敗北を喫したものの、中田英寿・松田直樹らを擁した1993年大会以来、18年ぶりとなるベスト8進出を果たした。遠いメキシコの地で活躍する姿に、”将来、A代表のボランチを札幌アカデミー出身選手が担う”、そんな想像をしないわけにはいかなかった。


 深井本人は、あの経験を「自分が掲げていた目標や考えは、まだまだ狭かったんだな、小さいところだったんだな、と思い知らされました。スピード感を持って成長していかないと、こいつらには敵わないと、あの歳ながら感じた。一気に自分の目指すところが変わってきましたね」と振り返る。

 対戦相手には、のちにパリ・サンジェルマンをCL初優勝に導くマルキーニョス(ブラジル)、マンチェスター・シティにも所属したエメリク・ラポルト(フランス)、セビージャなどで活躍したルーカス・オカンポス(アルゼンチン)らもいた。

 ワールドクラスの選手たちとの対峙は、”世界基準”を決して夢ではなく、ごく近い目標として感じるきっかけとなった。「どれだけ怪我をしようと、治るかという心配より、自分が目標に向かっていくことだけ考えていました」。そう語るように、若き深井一希の眼差しは先にある輝かしい光景に向けられ、目の前にあるリハビリの日々に、それほどピントは合っていなかったのかもしれない。

「アカデミーから選手が出てきてこそコンサドーレ」

長年の相棒である深井の引退発表を会見場の片隅で聞く荒野拓馬

長年の相棒である深井の引退発表を会見場の片隅で聞く荒野拓馬

 指導者の道をセカンドキャリアに選んだ深井はそう断言し、「自分たちが強かった時代に戻らなきゃいけない」と続けた。これは札幌アカデミーの黄金期を築いた1人としての発言であった。


 中学3年、全日本U-15ユース選手権で準優勝。高校2年時には、創設初年度となる高円宮杯U-18プレミアリーグEASTの初代王者に。さらにアカデミーの最終学年として迎えた2012年のJユースカップは決勝でガンバ大阪ユースを5-1で破り優勝。1997年に生まれた育成組織の一つの到達点の中心に、深井一希はいた。

 「自分たちの世代が中心となってやっていければ、コンサドーレは絶対にJ1で闘っていけるという自信があった。若い時から(1学年上の荒野)拓馬くんや、同世代のライバルたちと『俺たちで強くしよう』という話はしていましたね」。

 2011年、プレミアリーグの東西王者が対戦するチャンピオンシップを戦った登録メンバー18人のうち実に11人が、のちにプロの門戸を叩いた。余談にはなるが、日本一の座をかけてサンフレッチェ広島F.Cユースと対戦したこの一戦の会場は、さいたまスタジアム2〇〇2。8年の時を経た2019年に、深井一希はこのスタジアムを揺らすことになる。(続く)



 引退翌日に行った深井一希独占インタビューは、12月10日(水)・17日(水)放送の「コンサラボ」(UHB北海道文化放送・北海道ローカル放送)で余すところなくお届けします。



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