【判明】北海道新幹線のトンネル工事で歩道に泥土流れ出た問題_現場に”過去のボーリング調査跡”が…大型機械で掘削中に”跡”を通じて泥や土が流れ出たと推定_北海道札幌市
北海道新幹線の札幌と小樽間で建設が進められている「札樽トンネル」の札幌工区において、8月26日に歩道へ泥土が漏れ出した問題について、鉄道・運輸機構は9月2日、「過去のボーリング調査跡」が原因で泥土が漏れ出したと発表しました。
8月26日午前6時ごろ、札幌市西区発寒9条14丁目の歩道で、泥土が漏れ出しているのをトンネル工事の作業員が見つけました。漏れ出した泥土は1~2立方メートルで、作業員らが回収作業を行い、歩道は夕方までに復旧しました。
当時、地下29メートルの地点でシールドマシンという大型の機械を使って掘削が進められていて、鉄道・運輸機構は、関連を調べるため、工事を止めて原因を調べていました。
その結果、掘削場所から8メートルほど上に、現場の土地を所有する会社が過去に実施した地質調査ボーリングの跡があったことがわかりました。シールドマシンで掘られた土がこの跡を通り、地上に漏出したと推定されています。
鉄道・運輸機構によりますと、この跡は、工事前に行う文献調査や土地所有者への聞き取り調査では確認されていないものでした。今回の泥土漏出を受けた調査の中で、土地所有者から「以前、ボーリング調査したことがある」と伝えられ、判明したということです。
原因がわかったことから、1週間中断していたトンネル工事は、地上の監視を強化するなどの対策を講じた上で、9月2日夜から再開しました。
鉄道・運輸機構は「ご心配とご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。今後とも、万全を期して安全に工事を行ってまいります」とコメントしています。