【ファイターズ】タイガース金村曉投手コーチが語る交流戦の舞台裏―心理戦、投手陣の充実、そして秋への挑戦「またこのエスコンで日本シリーズできたらうれしいです」
交流戦でファイターズと戦った阪神タイガースの金村曉投手コーチに、戦いの印象やファイターズの投手陣、打線、さらに自身の経験を踏まえた戦い方についてお話を伺いました。両軍がしのぎを削る中で感じた手応え、そして秋の日本シリーズに向けた意気込みとは――。
【画像】2025北海道日本ハムファイターズ 6/2ファイターズガール期間限定衣装お披露目ほか
ファイターズとの対戦で感じた心理戦と投手陣の強さ
――ファイターズとの交流戦、見ごたえのある試合が続きましたが全体的にどのような印象をお持ちですか?
「新庄監督はまず戦う前から心理戦のようにいろいろ仕掛けてきているなという感じがありました。僕らも準備段階で新庄監督がさまざまな作戦をやっているのを知っていたので、準備はしていました。そういう展開、シチュエーションにならないように、ピッチャーも頑張ってくれているかなと。その中で、1戦2戦は、どっちに転んでもおかしくないいい試合ができていたと思います。」
金村コーチは、ファイターズの新庄監督が仕掛ける心理戦を感じつつ、投手陣の踏ん張りで互角の戦いができていると語りました。1戦2戦は緊迫感のある接戦となり、どちらが勝ってもおかしくない内容だったと振り返ります。
――対戦してみて、ファイターズ投手陣の中で印象に残ったピッチャーは?
「斎藤友貴哉投手です。アクシデントの当番でしたけど、素晴らしいピッチングで新庄監督のもとでしっかり成長しているなっていうのは感じましたね。やられたなって感じです。
ファイターズも今年、成績が物語っていますけど、やはり投手力がすごく充実している。ローテーションも8人程度で潤沢に回していて、今はどちらかというと打線に少し元気がないのかなというところを考えると、やはり投手力で勝ってるチームだと感じます。」
斎藤投手の成長とファイターズ全体の投手力に驚きを隠せない様子でした。特に、多彩なローテーションで戦う姿勢や、投手陣が試合を作るチームだと分析していました。
データ不足を逆手に取った打線対策と今後への展望
続いて、金村コーチは交流戦特有の「データ不足」についても触れています。
「交流戦ってあまりデータがないというか、実際に同一リーグみたいに何回も対戦しているピッチャーじゃないというところで、初戦の才木投手に対しては、特に初球から積極的に打ってこられたなっていう感じはあって、3戦目のデュプランティエ投手もそうですけど、まっすぐが強いピッチャーなので、そういうところに振り負けないように対策してきているなというのは感じましたね」
また、自軍の対策については「それは結構言えないやつですね」と冗談交じりに言葉を濁しつつも、「僕が2年、ファイターズの解説やらせてもらって、大体バッターの特徴っていうのはわかっている部分であるので、こうした方がいいよね、みたいな話はブルペンでもしています」と語り、現場での積み上げがチーム力につながっていることを示唆しました。
さらに、DH制によるセ・リーグとパ・リーグの中継ぎ陣への負担の違いについても見解を述べました。
「間違いなくあります。この時期でも感じますね。2戦目の門別投手は4回で降板しましたが、先発の出来に左右される部分はあるんですけど、打順でチャンスが回ってきたら代打を送らなければならないというシチュエーションが、やはりセ・リーグの戦いにはあるので、いいピッチングしていても変えざるを得ないみたいな。そういうのがない分、DH制はこちらとしても動きやすいですし、継投もしやすいというのはあります。」
秋の日本シリーズでの再戦について伺うと、金村コーチは次のように語りました。
「うちも頂点を目指してやっているので、ファイターズ戦は3試合で終わりますけど、また次々と先を考えていかなきゃいけないので、まずはそこに集中して、最終的にまたこのエスコンで日本シリーズできたら僕はうれしいなと思います」
頂点を見据え、再び日本シリーズでの激突を楽しみにしている金村コーチの姿勢が印象的でした。