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異国の若者たちが熱い視線『カイゴ』の意味は…日本の公的介護制度_留学生が「介護」学び国家資格取得へー高齢化進み2040年“57万人”もの人材不足懸念_北海道東川町とインドネシア・ガルト県が連携へ

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入学式に参加する留学生

入学式に参加する留学生

 2025年4月、専門学校の介護福祉科に入学したのは67人でこのうち留学生は46人。


 中国やベトナムなど11か国から来た留学生です。

留学生が利用する独自の奨学金

留学生が利用する独自の奨学金

 学生が利用するのが独自の奨学金です。


 東川町などがつくる協議会に道内の32の自治体が、年間、学生1人に対し370万円を拠出。

 この予算が奨学金として無償で提供されるのです。

介護を学ぶ中国からの留学生

介護を学ぶ中国からの留学生

 「将来は介護の仕事をしたい。日本で就職したい」(留学生)

富樫さん

富樫さん

 奨学金を利用した留学生は卒業後5年間、道内の介護福祉施設で働くことなどが条件です。


 これまで107人もの留学生が予算を拠出した自治体の介護施設に就職しています。

 「介護福祉士は日本が認めた資格なのでずっと働ける。家族を呼んだりできる」(富塚さん)

北海道の高齢化率と介護職員数

北海道の高齢化率と介護職員数

 こうして海外の若い人材を求めるのは深刻な介護現場の実情が理由です。


 道内の全人口に対する65歳以上の高齢者の割合は33.1パーセント。

 高齢者の割合が右肩上がりとなる一方で、減っていくのが介護職員の数。

 国は2040年に57万人もの不足が生じると見込んでいます。

インドネシア・ガルト県知事

インドネシア・ガルト県知事

 「ここにいる学生に多くのチャンスがあるので、日本で夢をかなえることができる」(学生)


 北海道の介護の現場を夢とまで表現するインドネシアの学生。

 彼らの国も大きな課題を抱えていました。

 「ガルトでは現在、経済状況に問題があり若い人たちに仕事を与えることができていない」(インドネシア・ガルト県知事)

学生とポーズをとる富塚さん

学生とポーズをとる富塚さん

 ガルト県の労働局の担当者によると高校を卒業する年間およそ3万人のうち定職に就けるのはわずか20パーセント。


 さらに国内の平均月収は月3万円から4万円ほどです。

 一方で東川の専門学校を卒業した留学生の介護職の初任給は平均で16万円以上に。

 およそ4倍です。

 「誰かの大事な家族を、日本人を支えたいという人は、日本には介護という仕事があると思ってくれれば嬉しい」(富塚さん)

 北海道の東川町とインドネシアのガルト県。

 2025年6月には正式に協定を締結し、互いの介護現場の人材育成を見据え協力していきます。


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