異国の若者たちが熱い視線『カイゴ』の意味は…日本の公的介護制度_留学生が「介護」学び国家資格取得へー高齢化進み2040年“57万人”もの人材不足懸念_北海道東川町とインドネシア・ガルト県が連携へ
学生が利用するのが独自の奨学金です。
東川町などがつくる協議会に道内の32の自治体が、年間、学生1人に対し370万円を拠出。
この予算が奨学金として無償で提供されるのです。
「将来は介護の仕事をしたい。日本で就職したい」(留学生)
奨学金を利用した留学生は卒業後5年間、道内の介護福祉施設で働くことなどが条件です。
これまで107人もの留学生が予算を拠出した自治体の介護施設に就職しています。
「介護福祉士は日本が認めた資格なのでずっと働ける。家族を呼んだりできる」(富塚さん)
こうして海外の若い人材を求めるのは深刻な介護現場の実情が理由です。
道内の全人口に対する65歳以上の高齢者の割合は33.1パーセント。
高齢者の割合が右肩上がりとなる一方で、減っていくのが介護職員の数。
国は2040年に57万人もの不足が生じると見込んでいます。
「ここにいる学生に多くのチャンスがあるので、日本で夢をかなえることができる」(学生)
北海道の介護の現場を夢とまで表現するインドネシアの学生。
彼らの国も大きな課題を抱えていました。
「ガルトでは現在、経済状況に問題があり若い人たちに仕事を与えることができていない」(インドネシア・ガルト県知事)
ガルト県の労働局の担当者によると高校を卒業する年間およそ3万人のうち定職に就けるのはわずか20パーセント。
さらに国内の平均月収は月3万円から4万円ほどです。
一方で東川の専門学校を卒業した留学生の介護職の初任給は平均で16万円以上に。
およそ4倍です。
「誰かの大事な家族を、日本人を支えたいという人は、日本には介護という仕事があると思ってくれれば嬉しい」(富塚さん)
北海道の東川町とインドネシアのガルト県。
2025年6月には正式に協定を締結し、互いの介護現場の人材育成を見据え協力していきます。