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【裁判詳報】『殺人罪』を適用 交際相手の女性教師を殺害した元高校教師の男"差し戻し審"で「一緒に死ぬ意思がなかった」"懲役12年"の判決 釧路地裁

事件・事故 社会 友だち追加

【事件当日】

法廷内の様子

法廷内の様子

■30日に片桐被告が駐車場に戻ると車内が物色されていることに気がつく。被害者からの電話で被害者が片桐被告の自宅前にいることがわかり自宅に戻り被害者の車で帯広市内のパチンコ店の駐車場に駐車する

■「もう、死ぬしかない」片桐被告が言うと被害者がうなずく
■人目につかないよう後部座席に移動しシートベルトをお互いの首に巻き付け、片桐被告は汗で手が滑らないようにゴム手袋をはめる
■シートベルトを引っ張り、被害者の両手が垂れ下がっているのを見た後も被害者の首を絞め続け殺害する
■帯広市内の雑木林に遺体を遺棄

【釧路地裁の判断について】

梶川匡志裁判長

梶川匡志裁判長

■被害者の殺害の承諾は片桐被告も一緒に死ぬことを前提にしていたものである

■一方が先に意識を失ってシートベルトを引く手が緩み一緒に死亡することが困難なことに加え、体格差や性差、年齢差、汗で手が滑らないようにゴム手袋をはめるなど一定の冷静な判断をしていたことなどから片桐被告だけが生き残る可能性が高いことを認識していたと推認できる
■片桐被告に死ぬ動機がなく、また片桐被告だけが生き残る可能性が高い殺害方法であったことを考慮すると、被害者の首に巻かれたシートベルトを引いた時点で一緒に死ぬ意思がなかったと認められる

【量刑】

事件があった現場

事件があった現場

「何度も片桐被告から別れ話を持ちかけられるも不倫関係の解消を許さず、700万円を支払わせたり、何度も電話したり職場に押しかけたりするなど迷惑行為を繰り返していたことが殺害を決意した一定の影響を与えたことは否定できない」としつつも、「シートベルトをお互いの首に巻きつけ、被害者の力が抜けてからも引っ張り続けた殺意は強固なもので、一緒に死ぬと信じていた状況を利用して被害者の首を絞めた」などとして殺人罪を適用し、検察の懲役13年の求刑に対し、懲役12年の判決を言い渡しました。

【裁判員「承諾殺人か殺人か判断難しかった」】

記者団の取材に応じる裁判員

記者団の取材に応じる裁判員

 判決後には参加した裁判員による記者会見が開かれ、今回の裁判についてそれぞれの感想を述べました。


■北見市在住の40代の裁判員男性
「自分の質問にゆっくりではあるが言葉を選んで回答してもらった印象があった。法廷では外見的には反省しているように見えていたが自己保身的な印象を若干受けた」

■本別町在住の29歳の裁判員男性
「初めて生の声を聞いた時に僕はしっかり反省しているなと感じた」

■釧路市在住20代の補充裁判員女性
「自分の思っていることをちゃんと行動に移せていなかった印象を受けた」
「犯行時の状況や温度感を説明できるのは片桐被告しかいないので、被告人の証言で承諾殺人か殺人か判断するのは非常に難しかった。犯行前後の行動や心境をみんなで話し合いをした。(片桐被告に対し)これからの人生では行動で示していけるようになってほしい」