止まらないコメ価格の高騰 去年の1.8倍に 消費者は悲鳴「上がるにしても限度がある」…一部の業者が値上がり期待で抱え込みか 政府備蓄米の放出でどうなる
「国民生活に対して、あまりにも大きな影響が出ている。値上がりの仕方もあまりにも急激である」(江藤 拓 農水相)
江藤農水相は災害時などのために備えている備蓄米を放出する意向を示し、2月14日に数量などの概要を発表するとしました。
その背景にあるのは、記憶に新しい去年の出来事です。去年8月、札幌市清田区のスーパーでは。
「今までは棚の端までが全部コメで埋まっていた。5~10kg入りなど、いろいろな種類を置いていたが全然コメが入荷しない」(カウボーイ北野店 稲田 恒夫 店長)
北海道を始め全国でコメが品薄となり価格が高騰しました。
前の年の猛暑の影響で、収穫量が少なかったことなどが原因と言われています。
その混乱ぶりは「令和の米騒動」と言われるほどでした。
あれから半年。
札幌市白石区の米穀店では去年からの高値が続き、売れ筋の商品は1kg当たり700円前後となっています。
農水省によりますと、5kg当たりのコメの販売価格は去年2月に2000円ほどだったものが、新米の時期には3100円ほどに上昇。
今年に入り3688円と、去年の1.8倍の高値になっています。
その原因は一部の生産者や業者が値上がりを期待して、販売せずに抱え込んでいるのではないかとみられています。
「上がるにしても限度っていうものがある。今は新米の時期より上がっている。備蓄米放出で少しは下がるのではと思うが、どれくらいの量を出すのか」
「恒常的に安定するように放出するならいいと思う。一時しのぎでなく、安定的な政策として考えてほしい」(いずれも買い物客)
政府の備蓄米は100万トン程度を目安に全国各地に保管しているもので、原則として大凶作や災害時などに放出されます。
今回の放出はそれに該当しない、流通の円滑化を目的とした初めてのケースとなります。
備蓄米の放出により、コメの価格はどうなるのでしょうか。
農業の流通に詳しい専門家は。
「新米の価格が下がらない理由は、利ざやを狙う業者の転売。供給量確保を目指す卸売業者や販売業者が増えて流通が滞っている。コメの流通量が増えると、高いうちに売り出す業者が出る。備蓄米の放出が、価格の安定につながる可能性も」(農業の流通に詳しい 松平 尚也さん)
主食のコメの価格は、今後安定するのか。
2月14日に発表される、政府の備蓄米放出の概要が注目されます