【タンカー座礁から1週間】「1日も早く漁をしたい」座礁タンカー“さんわ丸”がタグボートにひかれ函館港に着岸…なぜ座礁?海保が破損状況の確認・運航状況の聞き取り 捜査が本格化
北海道函館市の沿岸でタンカーが座礁した事故。船は1月13日朝に函館港に到着。函館海上保安部は、業務上過失往来危険の疑いで捜査を本格化させています。
「座礁してから1週間、さんわ丸がタグボートにひかれ函館港に入港しました」(小町麻紀カメラマン)
函館市の恵山岬沖で1月6日に座礁したタンカー「さんわ丸」。1月8日には燃料の重油が漏れ出し、漁業者に不安が広がりました。
「ここはウニもアワビもコンブも1番場所のいいところ。油のにおいプンプンしている」(漁師)
船を沖に引き出す作業が2度にわたって行われましたが難航。船体を軽くするため、燃料や積み荷の灯油を別の船に移し、ようやく1月12日にえい航が始まりました。
「よかった。安心しているところです。できれば1日も早く漁をしたい」(えさん漁協 上見孝男 組合長)
船は13日朝、函館港に着岸。船長立ち合いのもと、海保による破損状況の確認や運航状況の聞き取りが行われました。
一方、影響を懸念する漁業者側に対し、会社は謝罪するとともに、今後の対応を説明しました。
「漁業関係者の方々にお詫びを申し上げてまいりました。近隣の方々には多大なご迷惑をおかけし、大変申し訳なく思っております。誠意を持ってあとは対応しますので失礼いたします」(宮崎海運 永井文浩 専務)
船に何があったのか。
関係者によりますと、「さんわ丸」は座礁の前、急角度で針路を変えたあと、十分に速度を落とさず恵山岬沖へ進みました。
当時、海保が危険を知らせるため繰り返し呼びかけましたが、5分以上応答がありませんでした。
函館海保は、業務上過失往来危険の疑いで捜査を進めています。