<土用の丑の日スペシャル>徹底追跡! 国産ウナギは高嶺の花? 世界初の人工ふ化成功から50年以上も…謎多き魚 長年の研究で判明した安くなる日 “ウナギ上りならぬウナギ下がり” 到来の条件は? 北海道
甘く香ばしい香り、食欲をそそるふっくらとした身。この時期、一度は食べたくなるウナギですが、値段は高く、まさに高嶺の花という声も。
「ウナギの生態は謎が多いですね。あらゆる魚を増やしてきた僕から見てウナギは最も難しいですね」(北海道大学水産学部 井尻 成保准教授)
価格が下がらない背景には謎多きウナギの生態がありました。しかし!
「ウナギの生態は一番わかっているぐらいのところまできています」(井尻准教授)
長年の研究の末、ウナギの謎が判明。これは値段が安くなる日到来で、まさに「ウナギ上りならぬウナギ下がり」?
向かったのは、今から50年も前に世界初のウナギの人工ふ化に成功した「北海道大学水産学部」。
「あらゆる魚を増やしてきた僕から見てウナギは最も難しいですね」(井尻准教授)
世界初の人工ふ化成功から50年以上がたった今もウナギにはわからないことが多いといいます。
「今ここでメス化しています。全部メスにする作業をしていて、ウナギは普通に飼育すると全部オスになってしまう。そもそも全部がオスになることがおかしいんですよ。だからその状態を自然に戻してやる、オスとメスが1対1になる条件を探っている」(井尻准教授)
養殖して育ったウナギは“ほぼオス”になってしまうといいます。なので、普段、私たちが食べているウナギはほぼオス!良質な卵を作る研究をしている北海道大学では、エサに女性ホルモンを混ぜることでメスにしていますが、なぜほぼオスになるかは、いまだにわかっていません。
まだまだ謎が多いウナギ。水産庁は2050年までにすべて完全養殖に切り替える目標を掲げていますが、果たして、それによってウナギが安く食べられる日は来るのでしょうか?
「2050年は…遠すぎる…。ちょっと高いくらいで消費者が受け入れてくれるのであれば10年はかからないと思う。商業化は。おそらくウナギはこのまま高いまま、安定した生産ができる商業化までは10年かからないと思います」(井尻准教授)