「水道水の安全性は確保されました」 安平川の化学物質”PFAS”浄水場では検出されず 工業用水の再検査は増加も利用に支障なし 次世代半導体工場ラピダスが使用予定 北海道苫小牧市
北海道苫小牧市の安平川から、国の飲用水の暫定目標値を超える有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、川の上流にある3つの浄水場ではPFASは検出されなかったことが明らかになりました。
北海道と安平町が7月22日に発表しました。
PFASは発がん性が指摘されている化学物質です。国の飲用水の暫定目標値は1リットル当たり50ナノグラム(ナノグラムは10億分の1グラム)ですが、北海道の調査で7月16日、安平川下流の工業用水の取水地点で暫定目標値以上が検出されたことが明らかになっていました(浄水前59ナノグラム、浄水後61グラム)。
安平川の上流では、安平町の3つの浄水場(飲用水用)が稼働しています。PFASが検出された地点から最も近い場所で11キロでしたが、安平町の検査ですべての浄水場でPFASは検出されませんでした。
安平町はホームページで「水道水の安全性は確保されましたことを報告いたします」としています。
一方で、北海道の調査で前回、国の飲用水の暫定目標値を超えるPFASが検出された地点では、浄水前と浄水後ともに値が増えました(浄水前82ナノグラム、浄水後78グラム)。
国の飲用水の暫定目標値は超えていますが、北海道によりますと、工業用水にはPFASに関する水質基準はなく、利用に支障はありません。
ただ、北海道が新たに調べた安平川の8地点のうち、前回PFASが検出された地点から約5キロ上流で、PFASが新たに検出されました(95ナノグラム)。
北海道は今後、周辺の事業所などに確認し、原因を調べることにしています。
安平川の水は、次世代半導体の開発を目指すラピダスが千歳市に建設中の工場で2027年の稼働後に工業用水として使われる予定です。