宙づりの「ミキサー車」“12階建てビル相当”の巨大な縦穴へ… 北海道新幹線 トンネル工事現場にカメラ初潜入 “毎分15トン” 地下水との戦い
重機で撤去できましたがさらに函館側にもほかの岩があるとみられ状況によっては工期がさらに遅れる恐れもあります。
そして敵は岩だけではありません。
「非常に羊蹄山付近の山は水が豊富でして掘削するときは水位を下げながらですね。工事を進めていきたい」(上松苑さん)
湧き水です。
札幌までの工区の8割はトンネル。
ルート近くには、羊蹄山など山々が連なり地層に含まれた水がトンネル内に吹き出てくるのです。
場所によっては毎分15トンも出る現場もあるといいます。
実際に北海道の北斗市と八雲町間を貫く「渡島トンネル」では、2022年3月、土砂が流入し薬液を注入したり鋼材で補強する必要が生じ、月に65メートル進む予定が、20メートルしか進まない区間も出ています。
噴火で生じた巨大な岩や地下水による複雑な地形。
大自然が立ちはだかりますが、現場ではこれ以上、工期を遅らせることはできないと考えています。
「労働者確保もなかなか難しいところもありますし、働き方改革で労働時間が少なくなったりとか(問題ある)それとは別に、しっかり工程短縮するような工夫をして一刻も早く貫通に向けて施工を進めるよう努力しています」(上松苑さん)
難所が続く新幹線工事。
札幌延伸を果たす日まで戦いは続きます。