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『ウニがいない』漁が始まるも頭を抱える漁師 「120~130人前が…今年は60人前くらい」例年の半分以下 全国から客がくる行列のできる店も不安に 異変のワケはコンブ? 北海道積丹町

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出回るウニ

出回るウニ

 しかし、かつてはウニが今よりも手軽に食べられた時代があったのです。


 積丹町に「田村岩太郎商店」がオープンしたのは12年前です。

 当時の目玉メニューは客が自分でザルを使いウニをご飯にのせる「朝うにぶっかけ丼」。

 1杯3,000円でたっぷりと食べられました。

 しかし今は…。

 「ぶっかけ丼は去年は1回しかできなかった。名物ですからどこかで1回やりたいとは思っているんですけれど」(田村さん)

 店では現在、「生うに丼」は時価で販売されています。

 4年前は1杯4,000円だったのが取材したこの日は倍の8,000円。

 こうした不漁のなかでも、田村さんにはこだわりがあります。

 「コンブのいない所にいるウニは取らないんです。実入りが良くない」(田村さん)

 漁獲量も減りウニ自体の実入りも少ない今シーズン。

 田村さんが原因の1つとして考えているのが、ウニのエサとなるコンブです。

 「コンブのなかにバフンウニがいるんですが、今年はそのコンブが少ない。コンブがたくさん生えている場所のウニを取りたい。それが積丹のウニの味の良さにつながる。見えているウニをただ取ればいいということではないから」(田村さん)

温暖化の影響か

温暖化の影響か

 なぜコンブが減っているのでしょうか。


 水産関係者が原因と指摘するのが海水温です。

 ここ50年間、日本海では海水の温度の上昇が続き、ウニを取り巻く環境に悪い影響を与えていると考えられています。

 「コンブを食べるので北海道のウニはおいしいんですけれど、冬の水温が高いと海藻が生えにくくなる」(北海道大学大学院水産科学研究院 浦和寛准教授)

 北海道大学大学院でウニを研究する浦和寛准教授です。

 海水温の上昇は特に冷たい水を好むエゾバフンウニの命を脅かすといいます。

 「限界があります。やはり動物なので。住みやすい環境に移動をすることは考えられます」(浦教授)

 「育てる漁業も今後はやっていかなければという気はしている。海を育てて行かなきゃ大変になるかもしれないですね」(田村さん)

 温暖化によるとみられる海の異変。

 北海道のウニを守る試行錯誤が続きます。