「これまでできなかった規模も開催できる」"新たな展示場"誕生へ…アクセスサッポロの3倍 なぜ必要?札幌ドームとのすみ分けは? 北海道札幌市
新展示場建設の理由3 高まる展示場の需要
「利用率が大変高くて、コロナ前だと8割を超える水準。新たなイベントをやろうという方が予約が取れないという状況になっている」(杉本 展示場整備担当課長)
もう一つは、展示場の需要の高まりです。
これはアクセスサッポロの6月の展示会などの予定です。すでに7割ほどが埋まっています。
空いているように見える日も前後の設営・撤収を含めると実はほとんど空きがない状態です。
巨大な新展示場では複数の展示会を同時に開くこともでき、イベントの取りこぼしなどを防ぐ効果も期待されます。
「場合によって長期に使えるようになるので非常に使い勝手のいいものになっていくと思う。今まで札幌でできなかったようなものを開催できる」(秋元克広 札幌市長)
しかし、わずか1キロ離れた場所には同じく展示会ができる札幌ドームがあります。
そこで、気になる市民の疑問を札幌市に聞きました。
市民の疑問1 札幌ドームとのすみわけは
最新の自動車などが集う札幌モビリティショー。
札幌ドームの名物イベントとしてお馴染みとなっています。
一方で、車の展示イベントといえば…アクセスサッポロでは「北海道キャンピングカーフェスティバル」が毎年人気に。
このように車の展示会だけ見ても、市内2か所でそれぞれ開かれてきました。
「新展示場は、企業の販売促進や商取引に特化した施設。札幌ドームは観客席を有する多目的施設展示会のケースもあるが、スポーツやコンサートという大型集客施設としてすみわけしたい」(秋元市長)
総工費約222億円をかけ建設される新展示場。
開業から15年間の維持管理費を含めると262億円もの費用がかかると見込まれていますが…。
市民の疑問2 税金の無駄遣いでは?
「今回はPFI手法ということで、設計、建設、維持管理が一体の発注をしている。維持管理しやすい設計になっている」(札幌市産業振興部 杉本大 担当課長)
「PFI手法」とは自治体の公共事業で民間の経営や技術のノウハウを活用するため事業者に施設の設計、建設、運営管理などを委託する手法です。
無駄を省き、実用的な施設が作れることで良質な公共サービスが提供でき、税金の投入額を減らせるメリットがあると言われています。
2027年秋ごろの開業を目指す新たな展示場。
ビジネスチャンスを広げることができるのか注目です。