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潜水士歴30年以上 水中ドローン事業で新たなチャレンジ「大歩」中村徹也さん#BOSSTALK

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新時代には経験を生かし、ロボットで対応 効率化進める

自社プールで水中ドローンの講習会

自社プールで水中ドローンの講習会

――会社で頑張っている取り組みは何ですか?

 新社屋にプールを併設しており、潜水訓練はもちろんのこと、水中ドローンの講習会を行っています。今までダイバーが海藻のモニタリングをし、ムラサキウニの個体数を数えて統計を取っていました。ダイバーは2キロも調査すれば1日の作業は終了しますが、水中ドローンはずっと潜り続けてくれます。疲れ知らずです。ただ、水中作業で潜水士がいらなくなるわけでなく、潜水士の経験を生かしてロボットを使って効率良く進めています。

――社員数は現在、何人に増えましたか?
 正社員が22人になりました。

――ボスとして心がけていることは?
 僕らが潜水士を始めた昭和は体力が続く限り泳ぎなさいという時代でした。ところが、今はドローンを使って効率良く、空中も水中も自分自身でプログラミングして、画像をAI(人工知能)を活用して解析し判断しています。時代が大きく変わり、新しい働き方になっています。ハンディキャップのある人も、自宅から遠隔で操縦ができます。潜水や海の魅力を(次世代に)伝えるのが最後の使命だと思います。

次世代に海の魅力を伝え、ロボット活用の可能性を探る

次世代に海の魅力を伝えたい

次世代に海の魅力を伝えたい

――具体的に、どんな伝える取り組みをされていますか。

 (北海道南西沖地震の)震災前から、奥尻高校で海に潜って奥尻のきれいな海を伝える授業をしています。北海道大学水産学部(函館)ではドローン研究会の学生と一緒にドローンの実証実験を行い、活用法を話し合っています。海外に出て水中ドローンを使って活動をする学生もいます。

――海の仕事に就く教え子もいらっしゃいますか?
 うちの会社に入り、潜水士として1人はインストラクター、1人は作業ダイバーの仕事で活躍をしてます。(社員には)将来、独立できるよう、お金の使い方も教えないといけないですね。普通のサラリーマンより賃金が高いからといって、派手に遊んだとしても何も残らないですよ。親代わりになれよう、信頼関係を築くのが大切です。

――会社の未来の話を教えてください。
 大きく時代が変わって、ロボットを潜水作業で(本格的に)使う時代がすぐそこまで来ています。水中ドローンの操縦がうまい子に手伝ってもらい、孫が「おじいちゃん、海底はこんなふうになっているよ」と、網を入れるのに最適な漁場の情報を教え、(技術力で)親の役に立つ―。そんな世の中になってほしい。僕の考えに賛同して一緒についてきてくれればと思います。


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