「健常者に対して許されないことが障害者相手であれば許されることはあり得ない」北海道恵庭市の牧場"障害年金着服"訴訟 市側「虐待の認識していない」

　北海道恵庭市の牧場で働いていた知的障害のある3人が虐待を受け障害年金を着服されたなどと経営者家族と市に損害賠償を求めた裁判が始まり、市側は争う姿勢を見せました。

　訴状などによりますと、恵庭市の遠藤牧場で働いていた知的障がいのある60代の男性3人は長年、水道や風呂がないプレハブ小屋に住み込みで働かされ、支給されたはずの障害年金をほぼ全額着服されていたと主張しています。

男性らが暮らしていたとみられるプレハブ小屋

　また、恵庭市に対してもこの問題を把握していたとして牧場の経営者家族と市に約9400万円の損害賠償請求を求めています。

　11月28日の初弁論で原告の弁護団は「『健常者』に対して許されないことが、障害者相手であれば許されるそのようなことはあり得ない」と述べました。

法廷内の様子（札幌地裁）

　一方、市側は「虐待があったという認識はしていない」として争う姿勢を見せています。