「アクセルとブレーキを踏み間違えた」ピザ店に80代男性の車突っ込む…後を絶たない高齢ドライバー事故 "免許返納"は減少 北海道
高齢ドライバーによる交通事故が相次いでいます。
10月15日夕方には、札幌市で80代の男性が運転する乗用車がピザ店に突っ込みました。男性は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話しています。
ガラスを突き破り、車体全てが建物に入り込んでしまった黒い乗用車。
粉々のガラスや散らばった部品が衝突の激しさを物語ります。
10月15日夕方買い物客らで賑わう、札幌市北区新琴似の商業施設の一角にあるピザ店に乗用車が突っ込みました。
当時店舗は営業中でしたが、幸い運転手や店員、周辺の客にケガはありませんでした。
乗用車を運転していたのは、85歳の男性でした。
「駐車場から発進する時にアクセルとブレーキを踏み間違えてしまった」(運転していた85歳男性)
男性は当時買い物を終え駐車場から出ようとしたところ、誤って店舗に突っ込んでしまったと言います。
警察は男性の運転操作のミスが原因とみて当時の状況を調べるとともに、高齢ドライバーに対し、より慎重な運転を心掛けるよう呼びかけています。
今回は幸いケガ人はいませんでしたが、高齢ドライバーによる交通事故は後を絶ちません。
北海道内の65歳以上の高齢者による負傷事故の発生件数を過去10年で見ると、2013年は2630件。2022年はやや減少して約2300件でほぼ横ばいですが、事故全体に占める高齢ドライバーの割合は年々増えていて、全体の3割に迫っています。
事故を減らす手段の一つが「免許返納」です。北海道内では2013年には約3500件でしたが、2019年には2万1000件を超え、6倍まで急増しました。ただ、その後は減少し、2022年は約1万7000件でした。
警察などによりますと、急増の背景には2019年に東京・池袋で87歳の男性が運転する車が暴走し、11人が死傷した事故の影響があるとみられますが、その後は事故の記憶が薄れつつあること、さらにコロナ禍で感染対策のため、自分で運転したいという意識も働いているのではないかということです。