新型コロナで価格下落の"LNG"北海道に到着…発電する北海道電力「電気料金値下げ」への反映はまだ先か

家庭の電気料金値下げに今後つながるのでしょうか…。
北海道電力は、9月21日、火力発電用のLNG・液化天然ガスをアメリカから調達しました。世界的なコロナ禍で値下がり傾向のLNG燃料に期待が寄せられます。
佐藤 創 記者:「この丸い部分に、アメリカ産の約7万トンのLNG液化天然ガスが積まれています。アメリカ・テキサス州から約40日かけようやく着岸です」
北海道電力は北海道内で初めてアメリカからLNG・液化天然ガスを輸入しました。
田中 うた乃 記者:「上空から見るとかなりの大きさになります」
巨大タンカーで9月21日、約7万トンが届き、北海道石狩市の国内最大級のタンクに貯蔵されました。
LNGは液体からガスに戻され、約3キロの距離にある石狩湾新港発電所にパイプラインで送られ、火力発電の燃料に使用されます。
北海道電力はこれまでLNGをマレーシア、ロシア、オーストラリアから調達していましたが、アメリカ産のLNGの価格が大幅に下落したことを受け購入を決めました。
価格下落の理由は…新型コロナウイルスです。
新型コロナウイルスの世界的な流行で需要が減ったLNGは、北海道電力の受入れ開始当初と比べ価格がなんと約5分の1に。
これだけ安く調達できれば、期待するのは『電気料金の値下げ』ですが…
北電石狩湾新港発電所 福田 淳 所長:「(Q:今回の安いLNGで、各家庭の電気料金に対してはどのように反映されるのか)今すぐ(安い)燃料を導入しても、経済性が非常に高い燃料だが、明日から電気料金が下がるということではない。一つ一つの効率化を含めて、取り組みの積み重ねが、将来的な電気料金に反映されるものと考えている」
まずは燃料の安定供給を最優先するため、調達先の多角化を図る狙いです。安い燃料の恩恵を家庭で実感できるのはもう少し先のようです。