"GoToトラベル"観光地からは期待と不安の声…旅行者は「気の緩みなく」業界は"見切り発車"で混乱も

新型コロナウイルスの影響で冷え込んだ観光業界を支援しようと、国の「GOTOトラベル」が 7月22日から始まりました。
北海道でも期待する人がいる一方、感染への不安や、制度の分かりにくさを訴える声も出ていて、混乱の中でのスタートとなりました。
22日からスタートしたGoToトラベル。観光業界を支援しようと約1兆7000億円が投入される、国の一大キャンペーンです。
期間中の旅行代金が割引やクーポンなどで最大半額補助されます。一方で感染者が増えている東京発着分の旅行は除外されました。
空港には、さっそくGOTOの利用客が…。
千葉からの旅行客は:「千葉も東京に近いので、うつすかもしれないし、うつるかもしれない。気の緩みはないです」
東京をはじめ全国的に感染拡大が懸念される中、新たな観光客を受け入れる道内の観光地では期待と不安の声が入り混じっています。
函館朝市では客と店員の接触を減らそうと、市場の中で使うことができる電子マネーなどの利用を呼び掛けています。
朝市の店員は:「GoToキャンペーンはありがたいと思っています。ただ今また感染者がこれだけ出るなか(客に)来てくださいとは中々言えない」「楽しみにしているが、始まったばかりで、どうなるかわからない」
一方、道民はGOTOトラベルをどう思っているのでしょうか。
道民:「今は行かない」「まだ早いと思う。3密にならない所にいくのなら良いが…」「本州へは行かない。北海道からは出ないようにする」
慎重な人もいる一方、旅行に行ってみたいという人も…。ではGOTOトラベルの利用方法については?。
道民:「(申し込み方法は)わからない」「「ネットで申し込むのかな?分からない」
国の問い合わせ先に電話すると…(プープープー…)
繋がらないため札幌市内の旅行会社に聞いてみました。
旅行会社の担当者:「GoToトラベルについては23日に北海道で説明会が行われる。まだ申請はしていない」
なんと22日にGOTOトラベルがスタートしたというのに、事業者向けの説明会は23日だというのです。
このため、道内のほとんどの旅行会社はツアーを組めない状況となっています。
旅行会社の担当者:「先にやれるところはやってもいいですよと言っているが、東京が外されまだ始まっていないのにキャンセル料って不思議でしょ。何も決まっていないのに、どんどん走ってしまっているのが実態」
来週には割引きプランを販売できそうですが、業界からは国の見切り発車と準備不足を指摘する声が上がっています。
感染拡大の再燃も懸念される中、業界と利用客を巻き込んだ混乱が続いています。