地殻の「ひずみ集中」がより鮮明に 国と民間のGNSS観測網を統合し地殻変動を超高解像度で可視化 東北大学と北海道大学などの研究グループが発表
東北大学や北海道大学などの研究グループが、国と民間の衛星測位観測網を組み合わせることで、日本列島の地殻にたまる「ひずみ」をこれまでにない細かさで可視化することに成功しました。
これまで十分にとらえきれなかった局所的なひずみ集中を把握することで、内陸地震の発生メカニズムや地震ハザード評価の高度化に貢献することが期待されます。
地面のわずかな動きは、「GNSS(衛星測位システム)」と呼ばれる仕組みで観測できます。
カーナビやスマートフォンのGPS機能と同じ原理で、地面に設置した観測点の位置を衛星からの電波で精密に測り続けることで、地面がどの方向にどれだけ動いているか把握することができます。
これまでは、国土地理院が管理する約1,300か所の観測点のデータを使用していましたが、今回の研究では、ソフトバンクが全国に設置している約3,300か所の観測点のデータ提供を受け、合わせて約4,600か所の中からデータの質が良い3,303か所を選び、2019年11月から2023年12月末までのデータを分析しました。
北海道大学地震火山研究観測センターの高橋浩晃教授によると、北海道内では、サロベツ断層帯に対応する天塩町付近や、増毛山地東縁断層・石狩低地東縁断層帯北部に相当する浦臼町から新十津川町、美唄市付近でひずみの集中が確認されました。
また、道東の屈斜路湖付近ではアトサヌプリ火山の活動によるものと考えられるひずみが見られるほか、知床半島では半島自体が膨張している様子も示されています。
全国的にも、活断層がある場所や地震が多い地域ではひずみの集中が確認されており、地震のエネルギーが蓄積されている状況が見えるようになりました。
研究グループは今後、個別の活断層帯や火山地域を対象にした詳細な解析を進めることで、内陸地震の発生メカニズムの解明や、地震ハザード評価の高度化、防災・減災への貢献が期待されるとしています。
















