大雨の影響で札幌・函館間のJR大動脈寸断…代替ルートの“山線”が一躍脚光 かつては1日4往復の特急・急行が…しかし列車の企画が合わず現状では大量運行が不可能 災害のリスク回避どうする〈北海道〉
8月の大雨の影響で寸断されているJR室蘭線。札幌と函館を結ぶ特急や貨物列車の運休が続いていますが、その代替手段として小樽や倶知安を経由する路線が注目を浴びています。活用は可能なのでしょうか。
JRニセコ駅近くを走る特急「ニセコ号」です。札幌と函館の間を乗り換えなしで、小樽や倶知安方面を経由し約5時間30分で結びます。普段は週末を中心に観光列車として運行していますが、室蘭線が運転見合わせとなっていることから、9月8日と9日に1日1往復運行します。
「バックアップがあることは、非常に良いと思う」
「乗り換えがないので、こちらの方が便利」(いずれもニセコ号の利用客)
8月27日の大雨による土砂災害で、JR室蘭線では運転見合わせが続いています。特急や快速列車に接続する代行バスが運行していますが、1日3往復です。1日11往復の特急「北斗」の輸送力には及びません。乗り換えの手間もかかります。
そこで注目を浴びているのが、小樽・倶知安回りの通称「山線」と呼ばれる路線です。1969年の時刻表を見ると、当時は札幌方面と函館を山線経由で結ぶ特急や急行などの定期列車が1日4往復運行していました。2000年の有珠山噴火の際にも、特急と貨物列車が臨時運行しました。山線を本格的な代替輸送のルートとして使うことはできないのでしょうか。
「山線は特急『北斗』で使っている車両が入線するために必要な設備を有していない部分があるので、現状は乗り入れできない」(JR北海道 鉄道事業本部 山北 一郎 運輸部長)
JR北海道によると、山線は踏切の設定などが室蘭線とは異なります。現在、特急「北斗」で使われている車両はそれに対応していないため、乗り入れられないといいます。特急「ニセコ号」の車両は運行可能ですが、全部で10両しかないため運用に限界があるのです。しかし、札幌と函館を結ぶ大動脈が海沿いの路線頼みでは、リスクもあります。
「場所によっては山がかなり線路側に迫ってくる場所があって、そこで土砂崩れなどが起こると線路での輸送が障害される。そういうリスクを抱えているのではないか」(日本大学 綱島 均 特任教授)
小樽・長万部間の山線は、北海道新幹線が札幌まで延伸すると廃止されることが決まっています。自然災害に備え、代替輸送ルートをどう確保するのかが課題となりそうです。



















